almost everyday.

its a matter of taste, yeah

日比野克彦によるワークショップ ふたたび

とは言うものの。今回は途中から参加させていただいたため、内容をきっちり把握できたとはとても言えそうにないです。うーむ残念。午前中の出張さえなければ有休とりたかったのだけどなあ。まあ、嘆いていても仕方がないのでひととおりメモメモ。

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17:10
仕事を終え、今回のワークショップ開催についてご連絡いただいた「日々の新聞」の安竜さんへお電話。すると「まだまだ終わりそうにないから、会場まで来てもらえますか?」とのこと。あわてて準備、暮れかけた坂道をダッシュ。

17:20
会場到着。生涯学習プラザの和室をのぞいてみると、そこには老若男女入り乱れた20人ほどの参加者と、各テーブルを巡回するスタッフの方々が10人くらい、なごやかに作業をすすめておられました。本日はじめてお会いした(!)安竜さんにごあいさつ、自己紹介もそこそこにいきなり飛び入り参加することに。指定されたグループには、偶然にも前回一緒に参加した友人・J嬢の姿が。びっくり。手を取りあって、さっそく作業にとりかかります。

本日のテーマは、「商店街のチラシをつくる」。実際に町へ出て、グループごとに決めたテーマに合わせた商品を選び、それを広告にする、とのこと。当初の説明をきちんと聞いたわけではないので少々怪しい気もしますが、おおよその概要はこんな感じかと思います。

わたしが入ったグループの構成員は、20代女子(前述のJ嬢)と小学生男子がそれぞれ1名ずつ。当初はうちのママンと同年代くらいの女性もいらしたのですが、用事があるとのことでわたしとはほぼすれ違いになってしまいました。このグループのテーマは「元気な子供」ということで、子供を守る防犯ブザーや子供が喜ぶお菓子や果物がすでにピックアップされています。あとはこれらをどうまとめるか、というところ。

17:50
広告原稿にはB3版?の大きな画用紙を2枚作成し、印刷時に縮小をかけて両面刷りにするのだそうです。表には前述の防犯ブザーをどーんと打ち出す、というのが早々に決まっていたようで、そちらの図案は既にほぼ完成していました。問題は裏面。材料はすでに揃っています。ラインナップは次のとおり。

  ■2升炊きの特大炊飯ジャー (=元気な子供はよく食べる)
  ■手作りハンバーグ(かの有名な『わんぱくでもいい・・・』丸大CMを連想)
  ■佐賀みかん(子供にもビタミンは必要)
  ■サイズ豊富なフライパンセット(子供はごちそうが好き)

・・・・・・などなど。これらのモチーフが10センチ角ほどのイラストとしてすでに出来上がっています。問題は、これらをどうまとめるか。しばし考えます。脳内では一応それらしく一休さんの「ポクポクポク・・・」が流れてきますがいかんせん、わたしには一休さんのひらめきもなければ子供の純真さなどますますあるはずがなく、さらには美的センスさえ望むべくもないという三重苦。うおうっ、わかっちゃいるけどこの事実、あらためて突きつけられるとさすがに結構ショック大です。それでもひたすら一生懸命、ない知恵をふりしぼって考えること10分くらい。いくつか案を出し合った結果、裏は直球シンプルにまとめることとなりました。上部見出しには手書きのへなちょこブロック体を使い、左サイドにモチーフを並べて貼り付け、その隣に商品名と簡単なコメントをつけていく、といったイメージ。さっそく作業にとりかかります。

18:30
その頃、同じテーブルの反対側では小学生男子のSくんが黙々と作業を進めていました。紙の中央にはピンクのブザーがどっしり据えられており、それを取り巻くようにしてさまざまな商品アピールがぎっしり書き込んであります。子供の特権、筆圧の高い鉛筆文字。何だかすごく、いい雰囲気です。その後出てきたアイディアで「このブザーのうしろからさ、光が差してるみたいにしたら格好いいんじゃない?」という話になり、ここでもSくん大活躍。フリーハンドで描いた鮮やかなレモン色の後光は、そりゃもうびっくりするほど格好よくって思わず彼を抱きしめたくなったほどでした。どれくらい素敵かっていうと、それは例えばプライマルスクリーム「スクリーマデリカ」のジャケットをかるく越えちゃう勢いです。ひゃっほう!エクセレント。

19:20
広告に必要な情報は、思いのほかたくさんあります。商品名、商品写真、販売価格、店の名前、所在地、電話番号、商品アピール、などなど。しかし、限られたスペースに、それも短時間でこれらをすべて盛り込むのはとても無理です。とは言え、絶対はずせないものがあります。たとえば店の名前とか。せっかく広告うったとしても、どこで買えるか分からなければ本末転倒ですものね。
そんな重大情報が一つもれているという事実に、ここでようやく気がつきました。「手作りハンバーグのお店の名前が、どうしても思い出せないの」というわけでJ嬢、すでにとっぷり日も暮れた町をひとっぱしりして確認に向かってくれたのでした。感謝。というのも本日わたしはお昼ご飯を食べそこねたため、このとき既に低血糖でふらふらだったのです。いま走ったら、ほんとにぱたりと倒れそう。ごめんねJ嬢、ありがとう。お店の名前も無事判明、いよいよラストスパートです。スタッフさんからのアドバイスにより、あちこち色を加えたり文字を太くしたりして最終的な体裁をととのえていきます。

20:00
ようやっと、完成。とりあえず3人でハイタッチ、おつかれさま。他グループの作品をぐるぐる見てまわった後、それぞれ簡単な発表をしました(それもなぜか金屏風の前で)。強気なものを集めたグループ、弱気なものを集めたグループ、いわきの空をテーマカラーにしたグループ、ふわふわなものを集めたグループ、くしゃくしゃなものを集めたグループ、などなど。当たり前だけどどれも違って、面白いです。そういえば本日つくったこれらの広告は、なんと本当に近々朝刊で折り込まれるのだとか。びっくりです。すごいな。
最後の最後、参加者全員で写真撮影。なんと、当初の終了予定時刻を3時間半もオーバーしたのだそうです。本当に、おつかれさまでした。

20:30
わたしは本当に、ここにいてもいいのでしょうか。初対面の分際でずうずうしくも飲み会にまで参加してしまうとは。緊張すると人の目を凝視しつつ妙なことを口走る悪癖がまたも顔を出してしまいました。ああ、ふつうにきちんと落ち着いて話せる人になりたいよ。夕方ひょっこり出てきたわたしなんぞにとても優しく接してくださったスタッフのみなさま、本当にありがとうございました。
スタッフの皆さんとデザインについて、それを生業とすることについて語らっていた日比野さんに、どうにかひとつだけ訊けたこと。「自分が好きじゃないものをプレゼンテーションすることができる、というのは、それはすぐれた能力なんでしょうか。」その答え、「それは・・・ただの世渡り上手じゃない?」痛快だ、と思いました。心の中でひとり、にやり。

24:00
すきっ腹にアルコールは、やっぱり危険。本日ビール2杯くらいしかいただいてないというのに、これらがまさに五臓六腑へ沁み入ってしまいました。もう目がぐるぐる、回るまわる。というわけで歩くのを断念、タクシー帰宅。明日も仕事だ、働くぞ。というわけであっついシャワーを無理やり浴びて、ウーロン茶をごくごく飲み干しふとんに入るところです。ああ、すてきな夕方(夜)をすごすことができたなぁ。今夜はすごく、深く眠れそうな気がします。おやすみなさい。

今日あの場所でお会いできたみなさまに、感謝をこめて。