almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ROCK IN JAPAN FES2004(3日め)

今年も快晴です。すばらしい。というわけで行ってまいりました、ひたちなか3日め。以下、大雑把な行動記録をどうぞ。

朝、7時半に部屋を出発。近くのコンビニで目覚まし用のコーヒーとクーラーボックス用のブロックアイスを調達し、インターチェンジへ向かいます。いつもながら早朝の常磐自動車道は気持ちよく空いていて、とても爽快な気分。1時間ほどで会場付近へ到着、運よく入場ゲート前のA駐車場に入ることができました。今回は出発が早かったせいもあるのだろうけど、駐車場まわりの車のさばき方は着実にレベルアップしつつあるような気が。東北方面から来た客ばっか迂回させられて泣きたくなった3年前とはえらい違いです。いいぞ、来年以降もぜひこの調子で。よろしくお願いします。
滞りなく入場を済ませ、リストバンドを手首に巻いたらテント設置。今年もやはりレイク前の森の中へベースを張りました。テントは今回初持参でしたが、使ってみると低い屋根が少々きゅうくつながらも段違いのくつろぎ感。グッジョブ自分。さっそくビールを買いに行き、タイムテーブル見ながら今後の行動予定についてミーティング。これがまた楽しいのです。次第に祭り気分もじわじわ高まってきます。

本日一発目、まずは相方の好きなHYを見に行くことに。ゲートをくぐって手前側、ステージ向かって左のモニター前に腰を下ろし開演を待ちます(いちばん上の写真はこのときに撮ったものです)。陽射しは少しずつ強くなりつつあるものの、ひやりとした海風が吹いていて過ごしやすいのがうれしい。誰かが飛ばしたシャボン玉がふわふわ舞っているのを見ただけで、にへっと笑みが浮かんできてしまいます。いい気分。社長あいさつによれば、今年はスタッフTシャツのみならず出演者用のそれも作ったのだそうで、「CREW」「STAFF」等のプリントが入る部分に「ROCKSTAR」と書かれているのだとか。ははは。素敵です。絶対嫌がりそうなひとに着てほしいなぁ、誰がいちばん似合わないだろうか、等と考える間もなくHY登場。それにしてもこのひとたち(特にフロントマン)の、この健やかさ伸びやかさ陰のなさはいったいどういうことなんでしょう。それはまるで、夏休みの小学生に観察日記をつけてもらうべく芽を出して身体いっぱいに太陽の光を浴びるひまわりの如しです。よくよく聴くとほかの誰かが歌ったらいやんなるほど「素直で前向き」な詞なんだけど、このひとたちだと不思議なくらいに嫌味がないのは何故なんだろう。よくわかりません。女の子の声は力強いうえとてもやさしく、もはや母性すら感じさせられるほどでした。でっかい野外が似合うひとたちだなぁ、と実感。よかったです。

ここでいったんレイクへ戻り、昼食がてらひと休みすることに。1回100円のシーサイドトレインに初めて乗車しました。徒歩通路からそう遠くないところを走るので、行き交う人と次々目が合うのが楽しくもあり少々はずかしいようでもあり。大した距離ではないけれど、ちょっと楽しいです。タイミングさえよければ(悪いととんでもない長蛇の列になってます)状況に応じて使うのも良いかと。そういえば我々がテントを張ったのはちょうどこの通り道に近いところなのですが、発車時に鳴らされる汽笛?の音がアッシュの「ヴァンパイア・ラブ」のイントロに似た音なもんでいちいちどきっとしてました。さすがに慣れましたけども。

その後、看板だけで一目ぼれしてしまった屋台(左図参照)にて「水戸納豆三色ねばNeverめし」を購入。あったかいごはんの上にダシ入りとろろ・納豆・おくら・つぼ漬けに刻み海苔が載った素敵な一品です。粘りもの好きの自分にはいきなりストライクど真ん中、軽く満足しかけましたがさすがにこれじゃ足りんだろうというわけでふたたび売店エリアへ。カレーに肉やきそば、焼きおにぎり、カレー入りの揚げピザみたいなやつともちろんビールも忘れずに。カレーにはビールが合います。辛いもの、苦いもの、辛いもの、満腹中枢が止めてくれない限りは抜け出したくない無限ループ。しかしとりあえず胃は満たされました。靴を脱いで横になり、鳥のさえずりと風の鳴る音と混ざり合うようにして聴くクラムボンは絶品。すばらしく気持ちがいいです。しばしこのままゆるりとチルアウト。

で、その浅くゆるやかな眠りを一気に破ったのは、何の前触れもなく突然レイクから響いてきた聴き覚えのあるメロディでした。・・・ん?なんかこれ確実に知ってるけど自分の記憶とは全然違うアレンジのような・・・何だっけ、えー、嘘だろまさかボーン・スリッピー?と把握するまでに3秒、立ち上がって靴を履き相方に「ごめんちょっと行ってくるわ」と言い残し走り出すまで推定5秒。何も考えずひたすら夢中で走りましたよレイクステージのそれも一気にスタンディングゾーンまで。10年ぶりにここ日本で、しかも純然たるロックアレンジにて甦ったかの曲はとてもとてもすばらしく力強くクールでしかもダンサブルなものでした。知らないバンドの曲を聴いてこんなに胸がときめいたのは、3年前のバタードッグ以来かもしれません。続けて始まったオリジナルもメロディが強いうえタメの効いた演奏、どうしようこれはいきなり惚れてしまったかしら。興奮のあまり言い忘れておりましたが、彼らの名前はストレイテナーです。自分内要注目バンドとして脳内リストに赤丸をつけた後、3曲ばかり聴いて後ろ髪ひかれる思いでふたたびテントへ。相方を起こしてグラスへ向かいます。

HYを見たのとだいたい同じ場所へ陣取り、額には冷えピタを貼って万全の構えで待機。次は奥田さんです。しょっぱなからいきなり「俺は知ってるぜ」が来るとは思いませんでした。さらに次は、まさかまさかの「MILLEN BOX」。サビで急に音がグルーヴィンになるところ、生だともうぞくぞくするほど気持ちいいです。ソロ10周年記念ツアー?で演奏しているというスペシャル曲「人ばっか」も凄かった。これまでのいろんな曲をメドレー、つうよりかほとんど1フレーズずつ繋いで繋いで繋ぎまくった曲、「ああこれはあの曲!」と思う間もなくしれっと次に突入してしまういけずぶりが奥田さんらしくて素敵です。しかもこれ、曲だけじゃなくて歌詞もあちこち繋がってるらしく、♪となりの席ではフケた♪人ばーっか♪、と続いたときには思わず脱力、のちにふははと笑ってしまいました。いいなぁ。もっかいちゃんと聴きたいです。映像化されないかしら、これ。灼けた顔にヒゲを生やし、チャックベリーの顔マネも既にマネの域を越えありのままの表情となった奥田さんが腹の底から「ウオオォイエェー!」と叫ぶ姿は男くさくてオヤジくさくて(注:褒めてます)かっこよかったです。満足。

ここでひとまず休憩、というか散歩がてらグラスステージ周辺をぐるりとひと回り。DJブースの前を通りかかった途端「人にやさしく」が聴こえてきて、思わずその場で立ち止まりゆらゆらと踊っていたら続けて「千年メダル」がかかってしまい、こりゃもう踊るしかあるまいてと思い走って中へ。わけもわからず見ず知らずの男の子と肩組んでジャンプジャンプ、ひと汗かいて外へ出たらば今度はオエイシスのワットエバー、腰を下ろして聴き入ってたら更にはジェットのビーマイガール、きりがないのでさすがにこの辺で。ここはここでずいぶん熱いなーと思いました。

続いてのスピッツは、後方に設置された休憩テントにて。ここ何年かでは自分内ナンバーワンに好きな曲・メモリーズから始まったので、座っていながらつい飛び跳ねたくなってしまいます。その場でゆるりと聴いていたらば相方が「やっぱ立って聴こー」などと言うので、内心ほくそ笑みつつスタンディングゾーンへ。今度は右サイドから見ることにしました。ちょうど足場を固めたあたりで吉川晃司の「モニカ」を演ってくれたりしちゃって、ふたたび内心にやり。しかしスピッツは老けませんね。わたしはこれまで単にマサムネ氏が童顔なだけかと思っていたのですが、10年前に初めて雑誌で見かけた瞬間「おっさん顔だ」と思った田村さんさえほとんど全く変わってない、ような気がしました(ベースがしがし至るところに叩きつけまくってたし)。相方は「スターゲイザー」が聴けてご満悦の様子。これまた満足。

いったんテントへ戻って休むという相方と分かれ、わたしはそのままグラスに。スピッツファンがはけたところを見計らってじわじわと前方へ移動し、岡村さんの登場を待ちます。このときのSEは「僕らが旅に出る理由」。ほとんど条件反射で嬉しくなってしまう、これはかなしい性でしょうか。まあいい。今はとにかく岡村さんです。生靖幸初体験の自分には果てしなく長く感じられたサウンドチェックが終わり、メンバーが全員ステージ上に揃った後で、いよいよそのひとは現れました。オレンジレンジのフロントマンみたいな若者ダンサー2名(あくまでイメージです)を従え、最初からいきなり俊敏かつしなやかな踊りを披露。曲間一切なし、ひたすら踊って歌い続けてキメのポーズがびしびし決まるたびにわたし、「イエーーーっ」と叫んでおりました。初めて聴いた生声はそれはもう想像以上に艶かしくて熱くて滑らかで、すっかりメロメロになってしまいましたよ。中盤、踊り疲れたらしい岡村さんとダンサー2名のためにパイプ椅子が運び込まれ、その間を埋めるかのようにバンドメンバーが「みなさんはお花、好きですか?」等と小話を始め、しまいに台座とひまわりまで持ち出して生けはじめた(というか1輪挿し直しただけ)時は「もしもこのまま岡村さんが回復しなかったらどうなるんだろう」という妙なスリルを味わいました。ありがたいことにその心配も杞憂に終わり、よりによってラスト2曲は「だいすき」と「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」。「あの娘〜」が始まった瞬間にはもう、何が何だかわからなくなりつつも人目はばからずボロボロ泣きながら踊る自分がそこにいました。ライブでこんなに泣いたのはもしかしたらこれが初めてかもしれないです。感動したとか感極まったとかそういうんじゃなくて、ただただ自分の中身がぶわっと溢れ出したかのような涙。だって何しろ、いつから泣いていたのかさえよく憶えてないのです。そうか自分はこんな風に泣くことがあるのか、と我ながら驚くほどでした。とにもかくにも岡村さんは素晴らしかったです。あああ。

諸事情によりラストは遠慮して、会場を後に。会場から少し離れたところでは今年も花火大会が催されており、至近距離で打ち上げ花火を下から見上げるという贅沢なロケーションにてうっとりと余韻に浸りつつ帰途につきました。毎年この文は当日のあれやこれやを思い出すように楽しみながら書いているのですが、今年は例年よりもさらに余韻が強いような気がします。いまここへ来て、何やら書き終えるのがもったいないような(!)気分なんですもの。天気よかったし好きな曲たくさん聴けたし思わぬ出会いがあったしで、とにかく大満足な1日でした。来年もまた行きます。それではまた。