almost everyday.

its a matter of taste, yeah

神のゆらぎ

  • 野暮用にてオフ。出かける時間は普段の平日とさほど変わらないので、何となく気が向いていつもは自分用に作る弁当を夫に持たせてみました。よくよく考えてみるとこれ、何気に結婚以来初めての試みかもしれないです。こういう感じの金麦ごっこもしくは良妻コスプレ的なお遊び、日々のおつとめになろうものなら確実に数日で音をあげるだろうけど、たまにっつうか稀にならいい気分転換になるよなーと思います。何となく良い行いをしているような錯覚が味わえるし、相手も満更じゃなさそうだし、そんなこんなで誰も不幸にならないプレイは平和でいいなあと。

  • 午後、チネで「神のゆらぎ」。先日別の映画で見かけた予告編がやけに印象的だったのと、若き天才監督グザヴィエ・ドランが俳優での参加を熱望したというエピソードに惹かれて見に行きました。静謐で重厚でおそろしくハイコンテクストな群像劇。メインキャストたる3組のカップルと1人の男について、バックグラウンドが語られることはおろかセリフによる心情描写すらほぼ皆無。ひたすら淡々と、しかし時に冗長とも言えるほど丁寧に行動を追うことですべてを伝えようとする作風は、映画を読み解く鍵のひとつである「エホバの証人」さながらのストイックさを醸し出していると感じました。内容はまるで違うものの、ずいぶん前に見た映画「ガタカ」にも通じるシリアスな痛みがなかなか消えないというか。
  • 自分の些細な選択が他人の運命を変えうるという事実、穢れた血が命を救う一方で肉親との絆さえ躊躇なく断つという苦悩、歳を重ねてなお燃え盛る許されない恋、姪への懺悔ゆえ罪を犯す決意、細かく刻んで鼻から吸ってラリったままんまギャンブルに興じたり、棚の奥から酒瓶取り出しラッパ飲みしてしたたか酔ってお店の売り子を困らせてみたり、ブルーどころか真っ黒にこんがらがった生または性への欲望はまるで複雑なあやとりのようで、鑑賞者の数だけ違った感想が聞けそうな作品であると感じました。過去と今が交錯する展開も凝ってる。
  • 終始重たいトーンを貫くがゆえ見終えた後にスカッとするとは言い難いですが、かつて大事なひとを失くした無力感に打ちひしがれた経験を持つ身としてはわりとすんなり腑に落ちるというか膝を打ちたくなるというか、ある意味ではあの日の自分が数十年の時を経て救われたような報われたような不思議な気持ちになったんでした。たまにこういうのを見ておくと、平穏無事な毎日に過剰なほどのありがたみを感じられるので精神衛生上とてもいいですね。ふいー。

  • 映画の後は図書館で会員証を更新したり、眼鏡を新調したり、発売予定の新譜を予約してみたり、遅いお昼ごはんをいただいたりして慌ただしくも有意義な時間を過ごしました。さてと、あと1日働いたらまたお休みです。がんばろう。侍ジャパン見てるんだけど今、どうにも眠くて仕方がないのでもうおふとんに入りますね。おやすみなさい。