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almost everyday.

its a matter of taste, yeah

四星球レコ発ツアー「楽屋泥棒四星球」× 打首獄門同好会「やんごとなきツアー」@仙台darwin

  • 四星球と打首獄門同好会、いずれも音源を1枚も持っておらずライブも未見。にもかかわらず、イープラスでこの漢字まみれの対バン情報を目にした途端へんに心がザワついたんでした。「これは見ておかねばならない」という啓示のようなものが降りてきた、気がする。

  • というわけで、終業後はdarwinへ。いったいいつ以来だろうなここ、おそらく5年は余裕で来てません。チケ番遅いし駅から歩いて10分かかるしでのんびり余裕かましたつもりだったんですけど、並べど並べど入場できない。いったい何人入れるつもりだ。この寒さの中、コインロッカーに荷物まとめてフェス仕様の薄着で入場を待つ気合の入ったファンの方には頭が下がります。並々ならぬ熱意を感じる。
  • 19:05、先攻は打首獄門同好会。3ピースと聞いていたけどステージ上にもうひとりいる、ていうかなんかベズがいる(もしくは瀧)。楽器を持たず気が向いたときにしか歌わず、ヘドバンと踊りの合間にスライドかちかち操作してるベズ(瀧)がいる。ボーカルギター以外全員女性、ハーレム編成。歌詞はぜんぶドラムセット後ろのスクリーンに映し出される、ていうかネタ感バリバリの筆圧高い感じで矢継ぎ早に繰り出されるといった趣。初見だけどこれはすごい。こんなん笑うわ。三三七拍子を多用する煽りとフロアに放たれたシャチ(浮き輪)でいきなり沸点に達する場内を見るに、客も客でよく調教されてる感がすごいです。さ・し・み!さ・し・み!まぐろのさ・し・み!
  • 想像していたほどゴリゴリに重たい音ではなく、むしろ軽やかに聞こえるのは3ピース編成ならでは、なのかな。音源はともかくライブならもうちょい低音バキバキでいい気がするけど、曲っつうか詞の内容との兼ね合いでこういうバランスにしてるのでしょうか。詳細わからず。
  • この女3+男1という特異な編成をもっとも生かしてたのは「私を二郎に連れてって」という曲でした。
  • もうほんとこのMVまんま、少女漫画的にポップでスウィートな女性ボーカルにデス声シャウトが絡む様はさしずめプリプリmeetsホルモンといったところ。この曲に限らず、どれも一度聴いたら(そしてVJを見たら)一発で耳と目と脳に刷り込まれてしまう劇薬ぶりが凄かったです。終盤「東北でこの曲を歌うのは特別に感慨深いです!」との曲紹介から、フロア全員で人さし指を突き上げて♪日本の米はぁ〜世界一!♪って叫べたのが嬉しかった。世界広しと言えども、米と刺身と二郎でブチ上がれるバンドが他にいるとは思えません。ここまで開演1時間、とりあえず既に首が痛いです。
  • 20分ほどの転換を経て後攻、四星球。猿の着ぐるみ(全身タイツ)3人を仕切る法被ブリーフからのフロアでバク宙、このくだりにいきなり5分を費やす謎の熱量に面食らうも、着ぐるみ全員やけに演奏がこなれていてますます訳がわからなくなりました。ふざけてるのかマジなのか、若気の至りか歳いってるのか。どうやらどっちも後者みたいです。今年で結成15周年、このたびめでたくメジャーデビュー。そりゃ堂に入ってて当たり前か。
  • 冒頭からずっと長いネタを経て1曲やりきるまで律儀にサル顔をキープしていたベースの人がたいへん好みの音を出しておられて、メロが立ってるエモいバンドにたまにいるあの「疾走しつつにちにち粘るベースライン」なんですね。うひょー、わたしこれ大好物。というわけでそれからずっとそのひとの手元を凝視していたかった…けど、法被にブリーフのフロントマンがひたすら客を煽りまくるのでそういうわけにもいかないのでした。ステージ慣れしてるというより、場数踏んでる感がすごい。巡業感ある。すごくある。
  • 自らをコミックバンドと称する態度とネタありきのステージ、これだけならもう確実に下世話なイロモノ枠のはずなんだけど、そうはならずに至極真っ当に評価されてるんですよね。だからこそメジャーデビューが決まったんですよね。それっていうのはきっと、この演奏力と腰の低さ、そして滲み出る品のよさのおかげなんだと思います。法被はパリっとしてるしブリーフだって真っ白だから清潔感半端ないし、サラサラの黒髪は襟足すっきりで見るからに好青年だし、ちゃんと食えてんのか心配になるほど細いのに脇腹うっすらプヨってるあたりにはもう、生活かかってる切実さしか感じられません。何だろう、この問答無用で応援したい気持ちにさせられる感じは。
  • 「ビクターを選んだのは、この先輩たちがいたからです!」という曲紹介からのSMAPメドレー。青いイナズマ、SHAKEときてフロアが沸いたのはドラマーがアカペラで夜空ノムコウを歌い出した瞬間でした。ここまでフロント3人みな歌えて喋れるのは分かってたけど、まさか全員いける口だとは思わなかったよ。芸達者。
  • 終盤へと向かうにつれ演奏もMCも熱を帯びてきて、特に印象的だったところをいくつか。「音楽には娯楽と芸術がありましてね、僕らは娯楽をやってるんですけどね、娯楽が娯楽を突き詰めたら一周まわって芸術に追いつくんですよ」「ライブハウスに来るやつなんてね、大抵みんなどっか病んでんですよ。中途半端に病んでたらこんなん言われて『あー…』ってなるでしょ。でもあんたたちイェーイって笑ってるでしょ。突き抜けてるんですよ。突き抜けて病んでんですよ」「ライブが楽しいのは日常がつまんないからで、だったらそのつまんない日常がね、ほんとクソみたいなおかげでより今が楽しくなってるわけなんでね、もうそのクソつまんなさに感謝しちゃうくらいの感じでね」「僕たちが作ってるのは音楽ではなく、時代です!」
  • …それらの言葉が刺さる年代をわたしは既に通り越してしまってるけど、それをノスタルジックに思い出すのではなく、真空パックを勢いよく破って直に中身に触れるみたいに思い出させてもらえた気がしたんでした。嬉しかったな。楽しかったな。
  • 本編ラストは「それでは皆さん、一週間おつかれしまでした〜!」の絶叫とともにMステのジングルで〆、アンコールに応えて30秒も経たないうちに再登場、ご当地仕様にサビを替え「ララララーララララーアラバキ出たい〜!」で大団円。両バンドとも全力のステージでした。思い出したらまた後で。