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almost everyday.

its a matter of taste, yeah

山猫

almost everyday.

  • 野暮用にてオフ。早い時間帯に余裕があったので、朝いちで「山猫」を見に。
  • ルキーノ・ヴィスコンティ生誕110年没後40年を記念した特集上映の1作で、GUCCIの支援によりマーティン・スコセッシ率いるザ・フィルム・ファンデーションが1万2千時間をかけて修復した4K版との触れ込み。ただただもう「なんかよくわかんないけど凄そう」という好奇心のみ予備知識ゼロで足を運んでみたところ、なんとびっくり上映時間180分超の大作でした。あらゆるシークエンスが執拗に長いです。ほえー。
  • 時は1860年代、凋落しつつある特権階級の最後の輝きそして退廃美といったところがメインテーマとみました。これを日本に置き換えるなら、時代は違えど太宰の斜陽一家があそこまで落ちぶれるほんのちょっと前、爛熟のかぎりを尽くして後は朽ちるのを待つばかりというタイミングでしょうか。
  • そのクライマックスをこれでもかと豪華絢爛に彩る舞踏会のシーン、ここだけで1時間近くありますもんね。凄いですね。衣装やセットに湯水のごとく金と力を注ぎ込んだ大作としてはベタなところでタイタニックが思い浮かぶんですけども、あの手のド派手な成金感は感じられなくて、何もかもがあるべき場所にきっちり収まってるように思えるのはどうしてなんだろ?と思ったら、エキストラの多くは実際に現地シチリアの由緒ある家柄から集められたのだそうで。どうりで所作の綺麗な美男美女しか出てこないはずです。このシーンに限らず、隅から隅までうつくしいひとと物しか出てきません。なんなら死体すら画になってる。
  • 自分にとっては物心ついた頃から既に名優だったアラン・ドロンが本作では未来の象徴たるチャラい日和見主義者を演じている、蘇った美しい映像の中で生き生きと目を輝かせている、というだけで魔法のような体験でした。主人公演じるバート・ランカスターが見るからに好色で、襟の詰まった正装ですらフェモロンだだもれなのも凄い。現代ならジョージ・クルーニーあたりが思い浮かぶ柔和な笑みと苦みばしった苦悩の表情、たまりません。凄いものを見てしまった…。
  • そうそう。オンライン予約システムが運用を開始した後、手持ちのスタンプカードや会員向けの10枚綴り招待券はどうなるんだろ?…と気になって尋ねてみたところ「そちらはこれまで通り窓口での取り扱いとなります」とのことでした。えええー。会員料金先払いで安定した経営に寄与してるはずの太い客が、早期良席確保の恩恵に与れないというのはいくらなんでもちょっとあんまりなのでは…。シネコンとかだと会員は1週間前から予約が可能だったりしますよね。そういう何らかのインセンティブがないと不公平感が募るけどなあ、わたしなら。そんなことない?

  • お昼は、かねてより一度は食べてみたいと思ってた酒田のワンタン麺。むかしむかしワンタンに雲呑という字をあてたひとをわたしは心底崇めているのですが、雲を呑むとは言い得て妙だと思いませんか?こののどごし…!とため息をもらしてしまうほど絶妙のちゅるるん感でした。煮干しと粗挽き黒こしょうが効いたスープはややしょっぱめ、これはきっととびきり寒い街の味。ごはんの話はまた後で。