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almost everyday.

its a matter of taste, yeah

SMOKE

  • 14時、フォーラムでSMOKEポール・オースターが脚本を手がけ、95年に恵比寿ガーデンシネマで25週にわたりロングラン上映されたという名作のデジタルリマスター版。やっと仙台にも来てくれました。待ってた。
  • 冒頭、マンハッタンからゆっくりと地下鉄が走り抜けてくる背景にはまだWTCのツインタワーがそびえ立っていて、主な舞台となるタバコ店での世間話はもっぱらメッツと湾岸戦争で、小説家のポールは昔ながらのタイプライターで原稿をしたためていて。90年とはそういう時代で、今とはまったく違っていて、それでもやっぱり変わらないところもあって、ずいぶん昔の映画なのに確実に今と地続きになっているところもあるんだよな、と不思議な気持ちになりました。
  • 14年間毎日同じ時間に同じ場所で写真を撮り続けるタバコ屋の店主オーギー、アルバムをめくる常連客ポール、今はもうこの世にいない大事な人の姿をそこに見つける小さな奇跡。ルビーの眼帯を見たオーギーが「いつフック船長になったんだ?」と問いかけた直後に登場するサイラスの左手が鉤つきの義手だったり、知り合いの強盗からくすねた金と水浸しにした商品の損失額とヤク中の娘を救うために必要な金がどれもほとんどぴったり5千ドルだったり。パズルのピースが少しずつはまっていくような気持ちよさと、タバコの煙のように儚く嘘か本当かわからないエピソードがじわり胸をうつあたたかさに満ちていました。よかった。とてもよかった。
  • 最後に、よかったシーンをもうひとつ。車に轢かれそうなところを救われ「お礼にコーヒーでも」と言うポールに「どうしてもって言うならレモネードがいい」と気のない返事をしておきながら、いざお店にカットが変わると3杯くらいおかわりしてるラシードがたいへん微笑ましかったです。終始気負って背伸びしているように見えるラシードが、ほんのわずかに覗かせる年相応の少年ぽさ。和みました。
  • 夜は旧友たちと飲みに。友人の結婚式が発端となって20年ぶりに再会した同級生ふたりに、最近仙台に越してきたばかりのこれまた同級生が加わり総勢4人で楽しい時間を過ごしました。楽しすぎて終盤、よくなってきてたはずの声がまた完全に出なくなってしまってた。次は万全の体調で臨みます。おやすみなさい。