almost everyday.

its a matter of taste, yeah

エゴン・シーレ 死と乙女

  • 終業後、フォーラムでエゴン・シーレ 死と乙女。すごかった。すごかった。入れ替わり立ち替わり現れるどの女優さんよりエゴン・シーレasノア・サーベトラさまが美しかった…!眼福でした。ひゅー!
  • その美しさはひと目見たら忘れられない整った面差しのみにとどまらず、ほどよい筋肉に覆われた石膏像のような肢体を惜しげもなく眩い自然光に曝す瞬間の輝きときたらもう。ため息。
  • それは、自分にとっては、ダビデ像のような圧倒的造形美と言うよりもきっと、生まれて初めてロマネスコを見て嘆息したあの瞬間の驚きに近かった気がするのです。神が創りたもうし幾何学模様とでも呼ぶべき、どこにも何の破綻もない完璧な美しさ。こんなに綺麗な男のひとが同じ地球のどこかで今この瞬間も生きてるんですか?本当に?ってあわあわしちゃうくらい現実離れした美しさでした。
  • 惜しむらくはその美しさについ目が眩んでしまうところで、これだけ綺麗な男でしかも圧倒的な絵の才能まで兼ね備えてたりした日にはそりゃあもう、何をやっても許される側のひとだったんだろうな。という諦念とも羨望ともつかない気持ちが止まらないのでした。どんな愚かな行いも稚拙な別れも何となく正当化されてしまいかねない、という意味においてはエゴン・シーレの内面を深く描く妨げにさえなったかもしれない、という気がしてしまいます。どこか現実離れしているというか。官能的なシーンすら芸術品のように見えてしまうというか。
  • そのせいか、妹という立ち位置ゆえに一度も彼と肉体的接触を持たない妹・ゲルティの濡れ場が最もエロティックかつ生々しく立ちのぼる色気に満ちていると感じました。すてき。自転車で回廊を走り抜けたり雪の中で戯れたりするシーンのカメラワーク、駅やアトリエのライティングが美しかったのも印象的。
  • 映画の前にかるく飲んで、劇場を出て夫と合流してまた飲んで。長くてつらくて頑張った一週間のしめくくりは、おいしいたのしいうつくしいだらけのすてきな夜になりました。うれしいな。おやすみなさい。