almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ベイビー・ドライバー

  • 朝いち、フォーラムでベイビー・ドライバー。「いきなりジョンスペ」「カーチェイスラ・ラ・ランド」との触れ込みに惹かれ足を運んだのですが、とりあえずまあ冒頭からどえらいテンションでした。真っ赤なスバルのWRX、サングラスが似合わないことこの上ない童顔男子、その手に握られたiPodはClassic(おそらく120GB)。そのイヤホンから流れるはジョンスペ「ベルボトム」。警官を蹴散らし、パトカーをなぎ払い、ハイウェイを逆走のち雲隠れしてまんまと逃げおおせる一味。ひと仕事の後は鼻歌交じりにコーヒーをテイクアウト。これら一連のシークエンスが音楽と完璧にシンクロしてるんです。ドアの開閉、ギアを入れアクセルを踏み込む瞬間、クラッシュの轟音、発砲音。エレベーターの昇降、報酬の札束を数える音、コーヒーをテーブルに置く音までも。ほえー。すっごい。
  • 何より痛快なのは、劇中かかる曲という曲がことごとくドンピシャなところ。2度目の襲撃にダムド、恋の始まりにベック、急展開を迎える契機にブラー。とりわけこのブラーが「ここでこれを選ぶ?」というよりもはや「この曲のために用意されたシーン?」というほどハマってました。
  • そんなこんなで緩急自在のスピード感あふれる展開に脳汁ドバドバ出まくってたんですけど、何もかもすべてこのテンションで乗り切れるわけじゃないんだなあと考え込んでしまう場面もありました。精肉屋こと武器屋との銃撃戦、そしてクライマックスの対決。ここぞというところで曲とアクションがシンクロすると、緊迫して然るべき場面におけるダイナミズムがごっそり削がれてしまうのですね。もっとはっきり言ってしまえば「コントかよ?」って気がしてしまう。先の読めないスリルは消え失せ、ある意味安心して見ていられる虚構になってしまうんですね。
  • それっていうのはたまたま自分が曲の展開を知っていたからに過ぎなくて、未知の曲とのシンクロだったら何も知らずに手に汗握って見ていられたのかもしれません。それは分からない。でも、映像に一定以上の装飾が施されるという点においては、間違いなくそれと引き換えに生々しさが失われてしまうのだと感じました。シンクロの快楽とリアリティの驚きは両立し得ない要素なのかしら。難しいなあ。
  • 主演のベイビー(アンセル・エルゴート)は「きっと、星のせいじゃない。」での健気な演技が印象に残っていて、無愛想かつ寡黙なドライバー役とはずいぶん意外に感じられました。しかし物語が進むにつれ、クソガキ然とした仏頂面はダークな仕事の間だけであることがわかってきます。里親のジョーやガールフレンドのデボラと過ごす間は年相応におどけたり照れたりする表情も垣間見え、その振れ幅の大きさがギャップ萌えに拍車をかける抜け目のなさ。ここで思うさま観客をベイビーに肩入れさせておいて、あの幕切れから後日譚へと持ち込む流れはお見事でした。想像の余地を与えないカッチリした結末は後味すっきり、しかし個人的にはもう少しふわっとした終わりかたでも良かった気がします。
  • 序盤に出てきたレッチリのフリーがカメオどころの話ではなく役名までついてたところ、スカイ・フェレイラも度々登場したところまでは把握できたのですが、ジョンスペにはさすがに気づきませんでした。いつ?どこ?看守役?まじでええええ?うわーん悔しい。もっかい見たい!その他あれこれはまた後で。
  • 先発は則本。力投でしたよ?でも勝てないんだなこれが。聖澤が千賀と相性いいっぽい、というのが分かっただけでも今日は良しとしておくべきでしょうか。それにつけても完封負けはきついっすわー打線が繋がらないにも程があるっすわ〜。おやすみなさい。