almost everyday.

its a matter of taste, yeah

オン・ザ・ミルキー・ロード

  • 朝いち、チネでオン・ザ・ミルキー・ロード。待ってた。ずっと待ってた。公式サイトのキャストもトレイラーも見ず、クストリッツァ来日後のインタビュー記事も読まず、一切の事前情報を絶ってこの日を迎えました。ううう、長かった…。
  • 舞台はおそらく90年代、戦時下のユーゴスラビア近辺をモデルにしたと思しき架空の村。ロバにまたがり肩にハヤブサを乗せ、日々銃弾をかいくぐりつつ戦士たちにミルクを配達する男。彼に想いを寄せるミルク屋の娘は、いずれ戦地から帰る兄と2組同時に結婚式を挙げるのが夢。これを実現すべく難民収容施設から呼び寄せた美しい花嫁は、兄ではなく男と心を通わせていく。やがて休戦協定が結ばれ、村は平和を取り戻す。兄も帰還する。しかしそれも束の間、花嫁を狙う多国籍軍の将軍が特殊部隊を村に送り込む。火の海と化す村。命からがら逃げ出す花嫁と男。果たしてこのまま逃げ切ることはできるのか?
  • …というのが大まかなあらすじ。自然がどーん、動物どどーん、派手とか何かいうよりもはや当たり前のようにそこにありすぎて次第に感覚が麻痺してくる大量の銃撃、素直に笑っていいのかどうか一瞬身構えた結果やっぱり笑ってしまうブラックジョーク。ここらへんは安定のクストリッツァ節、特に前半は常に死と隣り合わせの戦場とは信じがたい程のどかな日常が描かれます。特に酒場の演奏シーン、スロボダ・ミチャロヴィッチ演じるミルク屋の娘の酒豪ぐあいと堂に入った踊りっぷりが最高。奔放でワイルドではちゃめちゃにぶっ飛んでいて、にもかかわらずエロくてキュートで可憐なのです。彼女がかつて体操で鳴らしたという身体能力の高さであるとか、のちに帰還する兄の左目が義眼であるとか、この辺の伏線がいずれあのような形で回収されるとは思わなかった…。びっくりしました。
  • 後半は命がけの逃避行がひたすら延々と描かれるわけですが、ある意味露悪的とさえ思えるほどにあからさまなCGがファンタジーと現実の境界線を示している点を抜きにしても、少々くどくて中だるみしている感が否めませんでした。ていうか監督(主演=ミルク配達の男)、これってもしやモニカ・ベルッチ*1とあんなことやこんなことがしたかったばっかりに…?と穿った見方のひとつもしたくなってしまいます。目を覆いたくなるほどむごい場面も多いけど、イチャコラ成分も引けを取らない。ううむ。
  • さらに驚くべきは動物の描きかたで、蛇に巻かれるシーンを除けば動物には一切CGを使っていないのだそうです。えええ!音楽に合わせてリズムをとるハヤブサも、血の海にダイブするガチョウも、ミルクを舐める蛇も、口移しでみかんを食べる熊(!)も、ぜんぶ本物なのですか…?どうやって撮影したんだろう。わけがわからないよ。帰りにパンフレットを買おうとしたら、在庫切れで入荷自体できなかったと告げられ大変しょんぼりした次第であります。なんてこった。
  • チネを出た後は今季初めてのジンジャーブレッドラテを堪能しつつ映画フライヤーや公式サイトを熟読、グランデサイズがすっかり空っぽになるまでのんびり過ごしました。パルコの濱文様でてぬぐいを買い、タワーに立ち寄りあちこち試聴。ウィーザーの安定感とCHAIのキラキラ感、すばらし。タワーのヘッドホンは低音がこもりがちで続けて聴いてるとしんどくなってきてしまうけど、いつか生で聴いてみたいなCHAI。それはそうと、ベックの新譜をやっとこさ購入しました。
    COLORS [CD]

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  • この夏ベイビー・ドライバーでベック史上最高にファンキーなミッドナイト・ヴァルチャーズがフィーチャーされた直後、このタイミングで歌ものかつカラフルなベックが聴けるとは大変うれしいです。壮大なベックも白昼夢なベックもいいけど、わたしの好きな三大ベックはThunderpeelとMilk&HoneyとE-Proなのです*2。バキバキにロックだったりゴリゴリにファンキーだったりアルバム全編歌いまくったりしてるベックさんが好きなんですよわたしは…!
  • その後は更に藤崎まで足をのばし、この夏お土産にいただいてその美味しさに目を見開いた風雅巻きを購入。勢い余って45本入り。やったね!
  • というわけで、大変楽しく有意義な土曜日を過ごしました。半年ぶりの球辞苑を堪能したのでそろそろ寝ます。おやすみなさい。

*1:「たかが世界の終わり」で主人公の兄を演じたヴァンサン・カッセルの元妻と知って腰を抜かしそうになりました

*2:LoserとDevil's Haircutは別格扱いでお願いします