almost everyday.

its a matter of taste, yeah

マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!

  • 朝いち、チネで「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」。ザ・フーのタイトル曲にのせてアストンマーティンDB4のハンドルを握り、ロンドンの街並みを走り抜ける銀髪のマイケル・ケイン。この画だけでもうすっかり満足してしまいました。
  • 思い起こせば去年の正月、マイ・ジェネレーション×カーチェイス&アクションという死ぬほどカッコいい予告編をガンガン垂れ流していたキングスマン:ゴールデン・サークルが、いざ蓋を開けてみたらフーのフの字も出てこない詐欺をやらかし呆気にとられ「金返せ〜!」と3割くらいはわりと本気で怒りに震えたものです。ここにはカーチェイスもアクションもない、でもそれがいい。フーがフーとしてカッコよく流れるのならそれだけでいい。あの日の無念がやっと成仏してくれました。ありがたや…。
  • 映画は3部構成で、大英帝国の歴史を紐解く序盤からマリー・クワント&ヴィダル・サスーンによるファッション変革と若者文化の隆盛を経てドラッグの氾濫へと至る流れ。60年代当時の映像とともに振り返る談話は大半が歳を重ねた現在のスターたちによるもので、マリアンヌ・フェイスフルの可憐な笑顔と現在の嗄れ声との落差には驚きを超えた凄味のようなものを感じました。全裸に黒のレザースーツでバイクにまたがる「あの胸にもういちど」のワンシーンが使用されていたのも心憎いです。ここに限らず、とにかく全編膨大な量の古い映像が使用されていました。カットや繋ぎの至るところにこだわりや遊び心が感じられて、これはその道を極めし者の仕事に違いないと確信するなど。
  • 特に目をみはったのは写真家デイヴィッド・ベイリーのいかにも人好きのする笑顔で、生まれながらのハンサムというよりは明らかに愛嬌のある顔立ちなのが興味深かったです。「あのころ写真家になるには、偉そうに振る舞ってペンタックスを買えばそれで一丁あがりだった」「あいつは毎日違う女と寝てたんじゃないかな?誰もが奴に抱かれたがってるように見えたよ」という談話がいちいちしっくり来てしまう、それがちっとも忌々しくない、むしろ深く頷きたくなる、そういう感じ。見ていて何だかわくわくしました。エンドロールのサンシャイン・スーパーマンも余韻があって良かったです。

  • 帰宅後、本日最初の食事は昨日のうちに買い求めておいたジラフさんのコッペパン。安定の美味しさ。おやつは樋口直哉さんレシピのチョコレートムースです。水と高カカオのチョコレート、たったこれだけでこれほどまでに濃厚なムースが作れるとは目から鱗。たいへん美味しかったです。バレンタイン、今後は毎年これでいいんじゃ…?という気さえしてしまうな。夜はこれから、心穏やかな日曜を。