almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた


  • 早朝、長町でハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた。「さよなら、僕のマンハッタン」におけるめちゃくちゃマブいガールフレンド役ことカーシー・クレモンズ主演、ウィルコのジェフ・トゥイーディーが本人役で登場する(!)音楽まみれの映画と聞いて公開を心待ちにしておりました。
  • 冒頭、レコードショップのレジに立つ髭面の中年男。ライブ動画に見入りつつタバコに火をつけると、客の男に店内での喫煙を咎められます。しかしまったく意に介さず、心ない捨てゼリフも涼しい顔でやりすごすという一連のシーン。ここだけでもう既に、情報量がすごいわけです。彼がどんな音楽を好むか、人柄はどうか、何で生計を立てているか。さらには、いかなるポリシーで客を迎え入れているかまでもが至極スムーズにすんなり伝わってくるんです。音楽が物語の進行を妨げることも、物語が音楽を蔑ろにすることもない。登場人物たちの人生にはそれぞれの物語があって、音楽が当たり前のように寄り添っている。全編を通して、このありようがあまりにもしっくりくるので観ていて何だかうれしくなってしまいました。
  • 父娘がつかず離れず、支配も反抗も照れもてらいもないごく自然体の関係性を築いているのも良かったです。何気ない言葉の端々にちょっとしたジョークや気の利いた言い回しが散りばめられていて、それぞれ互いにすっかり心を許し合っているのが伝わってきました。これはアメリカというお国柄のなせる技…?ここ日本ではなかなかこうはいかないものです。クライマックスのライブを開催するに至るくだりが特に良かった。印象的でした。
  • 100分以内で穏やかながらもテンポよく物語が進むため、体良く端折られたり物足りなさを感じた部分もあるにはあるけど(おばあちゃんが招いたトラブルや店じまい後の残務など)、総じて後味がさわやかというか心地よい余韻を残してくれるお話でした。好きだなあ、これ。この監督の作品をもっと観てみたいです。
  • それからもひとつ、トニ・コレット好きとしては、彼女のさまざまな姿を思うさま堪能できてひたすら眼福でありました。ほろ酔い上機嫌でカラオケに興じるトニ、複雑な感情の入り混じったキスを交わすトニ、スリーター・キニーのアルバムを手にしておどけて見せるトニ。ああ素敵。たまらん…!その後の話はまた後で。
  • 劇場を後にしたのは9時半すぎ。つまり、上映開始は7時台。いくらなんでも早すぎぃ!映画を観た後はいつもおまじないを兼ねて*1タイトルに位置情報を添えたツイートを残しているのですが、おそらくはあまりにも時間がアレすぎたせいで驚いたであろう中の方が反応してくださいまして。

  • 脚注のとおり、ここ何年かは映画を観るたびツイートしてきたんですよ。「今この劇場でこの作品を観てきましたよ」って。それに対する反応なんてのはハナから求めてなくて、たまに公式アカウントが機械的にFABやらRTやらつけてくださるだけで「おお、めずらしく目的が達成されている…!」などと小さくガッツポーズする程度だったわけです。そんなところへこの個別リプライが飛んできた日にはそれはもう「なにこの細やかな仕事ぶり…?御社さいこおおおお!」って気分にしかならないですよね。神は細部に宿る説をわりと真面目に信じている自分としては、こういう会社を今後もゴリゴリ推していきたい所存であります。今後の配給作品への期待が高まるわ…!
  • 雨宿りついでにIKEAファミリーカード会員特典の無料ドリンクバーでひと息入れてたところへ、本日のカープ戦雨天中止のお知らせが。現状、雨脚はまださほど強くないものの予報を見るかぎり終日大荒れですものね。英断。昨日の試合も快勝とはいえあまりに劇的すぎたというか、なんつうかこうラリってる感みたいなの満載だったのでこうして一日クールダウンできるのはむしろありがたいんじゃないか、って気がします。とにもかくにも貯金を増やすことに注力せねばならない交流戦、何事もポジティブに捉えていきたい。
  • その後は電車で仙台へ戻り、あらかじめ目をつけておいたアイテム数点を無印良品週間にかこつけて購入。このところ麻素材の着心地を気に入って普段からよく身につけているので、夫にも薄手ニットを一着見繕いました。あのさらさらひんやりした肌触り、きっと驚くだろうな。最悪、お気に召さなかったとしてもわたしがゆるっと着られるだろうし無駄にはならないはず。よい買い物をしました。おやすみなさい。

*1:「ここ仙台にもこの作品の上映を待ってた層が存在しますよ、頼むから今後も東北を飛ばしてくれるなよ…!」という配給側へ向けた怨念まじりの生息情報です