almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ライク・ア・ティーンスピリット

午前中まだ早い時間に、紺のスーツをびしっと着込んだ業者さんが訪れました。上司相手に商談をはじめたので茶を出しに行ったところ、彼の半径1メートル付近に近寄った途端、何やら強力な異臭が。あまりの臭気におののいたわたしは無意識のうちに息を止め、そのまま部屋を出てきたのですが、それはよくよく考えてみると仁丹+ポマードという非常にきついコンビネーションでありました。どっちか単体でもじゅうぶん臭いのに、合わせ技で来られた日にはもうなす術がありませんよ。10年ほど前、当時毎日てかてかに髪を光らせていた中年男性教諭を指して友人たちと「今日もすごいね」「うん、ポマってるよね・・・」などとささやき合った日々を思い出しました。ちょっとだけノスタルジア。だけど臭いのはいやです。つうか困ります。厚化粧+軽い腋臭の保険外交員さんも苦手。おのれのこの、野生動物並みにするどい嗅覚が疎ましいわー。どれだけ記憶をさらってみても、鼻が利いて得した経験というのはほぼ皆無であるような気がします。悲しい。

帰り道、スーパーへ寄ってみると新玉ねぎがお安くなっていました。この時期の、白くやわらかくみずみずしい玉ねぎがものすごく好きです。というわけでさっそく、今夜は玉ねぎたっぷりスープをつくることにしました。何年か前にモスで飲んだやつの味が忘れられず、適当に作ってみたらそれがなかなかいい感じだったので、以来ときおり思い出したように食べているのですよ。ってもこれ、ほんとにいい加減な作り方ですが。玉ねぎ3個をひたすら刻んでバターで炒め、飴色になるまでじーっと炒め続けて、水と押し麦とコンソメを放り込んだらあとは押し麦がやわらかくなるまで煮るだけです。難しいことは何もありませんが、ただ時間だけがかかります(20分くらい延々と炒め続けるので)。しかしあの、やわらかくなった玉ねぎのとろけるような感触だけですべてが報われる、ような気が。特に今日は過去最高じゃなかろうか?と思えるくらい快心の出来だったので、なんだかすごく嬉しくなってついばくばく食べてしまいました。自分で作ったものがこんなに美味しく感じられたのは、もしかしたらこれが初めてかもしれません。心地よく閉じた幸福でお腹がいっぱいです。おやすみなさい。