almost everyday.

its a matter of taste, yeah

暗い海がわたしを呼んでる?

あれは2週間前のできごと。大粒の雨の中、作業服にカッパ姿で出かけていく先輩たちを気の毒がりつつ見送った矢先、今しがた出かけたはずの一人がすぐに戻ってきたのでした。カッパのウエスト部分を引っぱり上げた姿勢のまま「わりぃ、どっかに予備のベルトない?」と慌てた様子で聞き回っているところを見ると、どうやら金具部分が壊れた模様です。とは言え、共用のそれも作業服用のベルトなどあるはずもなく、たまたまわたしのロッカーに置いてあった自前のベルト(それも100均で買ったやつ)を貸して急場をしのいでもらうことにしたのでした。自分ではなかなかいいことをした、ような気がしておりました。

で、2週が過ぎて今朝の話。前述の先輩がいつになく不機嫌そうな様子で「あのさあ、ちょっと話あんだけど」と声をかけてきました。はて何かしら、と思いつつ話を聞いてみると「こないだ貰ったベルトなんだけどさ、あれ、ちょっと短すぎない?俺、さすがに軽く傷ついたんだけども」とのこと。そのひとは決して太っているわけではないのだけれど、いかんせん背が高くがっしりした筋肉質タイプなので腰まわりのサイズもそこそこ大きいようで、一般女子向けそれも100均の安いベルトじゃ尺が足りないのは当然と言えば当然の話なのでした。

あれ?でも、ちょっと待って。もしかしてこのひと、あれがわたしの私物だってことに気付いてないんじゃないか・・・?ていうか、こっちはあくまでその場しのぎのつもりだったのにあれが正規の支給品だと思ってやしないか・・・?しかも今日までふつうに使い続けてたんじゃないのか・・・?もちろん、たかだか税込105円の私物が惜しいだなどという気持ちはさらさらないし、貸すとは言っても返してもらうつもりなど殆どなかった(何しろ雨風に曝された後だし)のだから別にいいんですが、誤解されたままでいるのはちょっと悲しいので「実はこれこれこういうわけで」と順を追って説明することにしました。したらばそのひと、さっきまでと態度がぐるんと変わっちゃいまして。「ええ?!あれ姉さん(※あのシマの先輩方はなぜか皆、女子をこう呼びます)のベルトだったの?どうりで短いはずだよ。ていうか自分の貸してくれたの?まじで?すげーすげー信じらんねーめっさ親切っ」みたいな感じで。そうだよ分かりゃそれでいいんだよ、と心の中でこっそり深くうなずいたのはもちろん内緒の話です。腹が黒くてごめんなさいね。おやすみなさい。