almost everyday.

its a matter of taste, yeah

ごめんねごめんねごめんねごめんね

職場の2階の奥まった部屋で古い資料を探していたら、今はもう使われなくなったストーブの煙突部分の辺りからかすかに鳥の鳴き声が聴こえたような気がしたのです。それで夕方、たわむれに同じシマのひとたちに「どうやら古い煙突の中に鳥が巣を作ってるっぽいんですよ」と話してみたところ、ちょうどタイミングよくきょうの仕事を切り上げたらしい上司が俄然やる気を見せて「んじゃ、探しに行くか」などと言い始めたため、行きがかり上その作業に付き合わざるを得ない雰囲気になってしまいました。

そんなわけで脚立に懐中電灯、軍手、古新聞、ビニール袋とフル装備をととのえて現場へ向かい、件の煙突を部屋の外から覗きこんでみたらば、はたしてそこには一朝一夕にこしらえたとは思えない大きな大きな鳥の巣が見えました。目を輝かせて撤去にとりかかる上司(※度を越した掃除好きらしいということが最近判明)を止める術はなく、脚立の下で新聞紙とビニール袋を広げ、上司がせっせと煙突の奥からかき出してくる鳥の巣という名の藁のかたまりを無言で受け止め続けることしばし。「そろそろこれで全部だろう」というところで袋の口を閉じようとしたら、ふいにその藁のかたまりの中から黒い何かが飛び出してきました。それは、巣の主であろう鳥でした。それだけで既に口もきけないくらい驚いたのだけれど、藁の中に小さな卵がぽつんと残されてるのを見つけたときには、驚くというよりむしろ激しい自責の念にかられました。突然なんの前触れもなく住処を壊されて、きっとすぐさま逃げ出したいくらい怖かったろうに、それでもなんとか卵を守ろうとしてぎりぎりまで粘ったんだろうなあ。わたしが余計なことさえ言わなければ、きっとあの卵も孵って育ってそのうち巣立っていったんだろうなあ。と思ったら、いくら謝っても足りない気がしたのです。ああ。こんなことをしたらきっと地獄に落ちるよ。もともと天国に召されるような善人だなんて思っちゃいないけれど、これまで想定していたよりもさらにずっとひどい地獄へ送り込まれるのではなかろうか、というように思えてしまってひどく後味がわるいです。残された卵、どうにか孵してあげたいのだけれどそれには何が必要かしら。おやすみなさい。