almost everyday.

its a matter of taste, yeah

78 / 吉田篤弘

わたしは音楽がすき。音楽は昔、レコードによって鳴らされていた。そのレコードにはかつて78回転で音を奏でる種類のものが存在していた。その回転数「78」をタイトルに冠した小説をジャケ買いならぬタイトル買い。なぜなら「78」こそはわたしの生まれ年だから。スターウォーズの「77」とセックスピストルズの「79」に挟まれてずっと居心地わるそうに見えたままでいた「78」という数字が、やはり遠慮がちながらもほんの少しだけ誇らしげに見えた、気がした。それは何より、そのお話がとてもとても良かったから。その作家さんは、少し前にある友達に教えてもらって初めて知ったばかりのひと。つまり、出会うべくして出会ったということ。そして、今も昔も変わらずずっと、音楽はわたしを内側から暖めてくれるものであるということ。それはずっとわたしの中で回り続けているということ。そしてこのお話もまた、終わりなく回り続けたままでいるということ。ああ。しあわせすぎてどうしよう。信じてもいい?ほんとうに?