almost everyday.

its a matter of taste, yeah

死の棘 / 島尾敏雄

きのうの夜ときょうのお昼、それからさっきまた読み進めていま300ページめあたりです。ちょうど半分くらい?語り手トシオの一人称が「ぼく」であること、そして地の文にひらがなが多くなおかつ改行が少ない、ていうのが特に自分好みです。ふたりの間で交わされている諍いはきっと凄絶きわまるものなのだろうけれど、少なくとも活字を追うかぎりその言葉は静かで丸みをおびている。という点が逆に音もなくしのびよるさざ波のようなおそろしさをかきたててきます。いつ果てるともわからない罵倒の連鎖がへんにうつくしく思えてくるのはなんでだろうか。はやく読み終えてしまいたい、でもまだしばらくこの苦しさに閉じこめられたままでいたい。