almost everyday.

its a matter of taste, yeah

身を削り言葉にしてあなたの脳幹に

「いったい何をしでかしたのかは定かでないが、とにかく何か、ものすごく悪いことをした。お前が、自分の意志でそうした。今すぐ高飛びしないことには身の安全が保証できない。ついては偽のパスポートを作らなくてはならない、何でもいいから適当な名前を考えろ。今すぐにだ。」
と、高倉健とデューク東郷を足して割らずに凄味だけ2割増強したような風貌の男に迫られ、何が何だか分からないままそれでも一応言われるままに偽名を考えていました。足がすくむほど怯えていたわりに案外あっさり思いついたその名前は「かめい・ゆの」でした。男は一切表情を変えずに姿を消し、残された自分は「そんな名前で本当に逃げ切れるのだろうか(そもそも誰から?)」とそればかり考えていました。
…明け方もしくはアラームが鳴る直前にみた夢だったせいか、内容を端から端まですっかり覚えたまま覚醒。そして、それゆえ妙な具合にもやもやが残る結果となりました。かめい・ゆのとは誰なのか。何かの引用?わからない。わからない。わからない。そうしてそれから出勤中、あともう少しで職場に着くというタイミングでぎりぎりようやく思い出せたところによれば多分、いやほぼ確実に引用元が太宰だった気がしてきました。「(何か用事があって)亀井さんちへ出かけていったら、悠乃ちゃんが『園子ちゃんが来たわよう』と奥さんを呼んでくれた」みたいな一節が確かにあった気がする。しかし今度は、その短編の題名が思い出せないのです。ああ!何なのこの無限ループ。悶々とした気持ちをふりきり仕事に勤しみ、帰宅してから「亀井+悠乃」でぐぐってようやくその題名が「十二月八日」であることを確認し、ようやくほっとしたところなのですがそれにしても。その短編の細部まで記憶していたおのれの記憶力を称えるべきか、それとも肝心のタイトルを失念していた間抜けぶりを恥じるべきなのかよくわからなくなりました。でも、たぶん後者でいいような気がします。おやすみなさい。