almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2009年第11回・さいきん買ったCD

26.Secret, Profane & Sugarcane / Elvis Costello
Secret Profane & Sugarcane (Dig)
わたしの耳のゴッドファーザーコステロさんからの誕生祝いがこれでした*1。今度の新譜はカントリーを基調としたアルバムになるらしい、という前情報を踏まえたうえで聴いてみたのだけれど、想像してたのとはちょっと違ったな。というのが最初の印象でした。その筋に疎いわたしは「カントリー」という言葉を見聞きするとつい赤いチェックのネルシャツとインディゴブルーのジーンズにテンガロンハットを被った陽気なおっさんがバンジョーをじゃかじゃかかき鳴らしている画をまぶたの裏に思い浮かべてしまうのですが、どうもそういう感じではなかった。どちらかというと、南の島でハンモックにゆられてうとうと目を細めながらギターを弾いて歌ってみました、ってのがしっくりくる感じです。つまり、晴れた午後のお昼寝にはこの上なくぴったりだということ。耳元で静かに語りかけるような歌いかたも、やわらかく丁寧な演奏も、ともて気持ちがいいです。
27.狂おしき薫り / The Dead Weather
狂おしき薫り
ホワイト・ストライプスの新譜はまだかなー、と思っていたらジャックの新プロジェクトが始動。それも今度はドラムですって!と色めきたってさっそく聴いてみたmyspaceで"ARE FRIENDS ELECTRIC?"のカバーにすっかりやられてしまい、アルバムが出るのを心待ちにしてました。どういうわけかこの曲が本編には入らなかったみたいなので、久しぶりに日本盤で買っちゃいましたようふふ。前述の"ARE FRIENDS ELECTRIC?"ではわりと鍵盤が前に出てる感じでしたが、本編はギターベースドラムの3ピースがごつごつとぶつかりあってる印象を受けました。でもって、そこに乗っかるモシャートさんのハスキーにひしゃげた声がとんでもなく格好いいです。ああもう本当に、ジャックさんたらいつもいつもこちらの期待の斜め上を行く気持ちよさをありがとう。わたし、ラカンターズよりもこっちのが好きだな。
28.Promise Me This / Stribor Kusturica & The Poison
Promise Me This
こないだ仙台で見てきた映画「ウェディング・ベルを鳴らせ!」があまりに良くて、ついにサントラまで手に入れてしまいました。ものすごく久しぶりです、サントラ買ったの。ざっくり記憶を振り返ってみると、自分の場合「サントラのメンツが豪華→それじゃ映画も見てみるか」という流れに至ることがほとんどだったのですが*2、そう考えると「ただただ映画がおもしろくて音も最高だったからサントラも買ってみた」ていうのはこれが正真正銘はじめてのような気がしてきました。それって何だかちょっとすごい。プレイボタンを押したとたんに映画のシーンが頭のなかで回り出す、ていう愉快なプレイバック体験がこれでもかってほどに味わえて聴けば聴くほど顔がにやけてきてしまいます。これ、映画→サントラの流れで聴いてるからこうなんだけど、もしも逆ならどうなるんだろ?映画館の暗闇の中でほくそ笑むことになるのかしら。
それで中身は、ざっくり言えば「街角で大道芸の楽団がにぎやかに演奏してそうな」感じの音。初めて聴くのに何となく懐かしいような気持ちにさせられます。てことはノスタルジックな生音がメインなのか、と思うと突然安っぽい下世話なシンセの音がしれっと加わってきたりして、そこらへんの大味さが気持ちのよいゆるさを醸し出してるなあと。このひと(監督の息子。映画にもわりと重要な役柄で登場)たしかわたしと同じ歳のはずなんだけど、どう育ったらこういうセンスを持ち得るようになるんだろう?向こうのメインストリームの音楽がこういう雰囲気だったりするんでしょうか。
何はさておき、4曲めのイントロが鳴った瞬間は「きたきたきたー!」と口走り小さくガッツボーズまでしてしまいました。映画の冒頭で流れるのがこの4曲めなのですが、一度聴いたら忘れられない物悲しくも陽気なメロディーがすばらしいです。

*1:本国でのリリース日がわたしの誕生日と同じ日だったのです

*2:90年代のダニー・ボイル作品とか、『ジャッカルの日』のリメイクとか