almost everyday.

its a matter of taste, yeah

どうか元気で お気をつけて

大きな和室にふとんを敷いてみなで雑魚寝して、目を覚ましたのが朝6時。9時すぎにはもう支度して、ご参列のみなさまのお出迎え。本当に、本当にたくさんの方々に見送っていただきました。告別式の後に棺の蓋を閉じた際はさすがにうっと来たけれど、それでもどうにか踏みとどまりました。今は必ずしも棺に釘を打たなくてよくなったのですね。あれは辛い。ものすごく辛い。
その後、霊柩車に乗って斎場へ。位牌は兄、遺影は母、骨箱はわたしが持ちました。これは本来ならば姉の役目になるところですが、姪から手が離せないということでやむなくわたしに。霊柩車は黒のリムジンでした。きっと父も喜ぶだろうと思いました。車の好きなひとだったので。
父がお釜に入れられて、その厚い扉を閉ざされた瞬間だけは唯一涙を流しました。泣いたらすべてが現実になってしまいそうな気がしてずっと歯を食いしばったけれど、さすがにここだけは堪えることができなかった。「もう二度と会えない」と思ってしまったらだめですね、やっぱり。
1時間後に皆で拾った父の骨は真っ白でつややかで大きくて、元気だった頃の体驅を思わせる立派なものでした。癌は骨にも転移していて「いつ折れてもおかしくない」と言われたけれど、これが折れるはずはない。と勝手に納得させられました。蓋が浮くんじゃないか?という気がするくらいたくさんの骨を収めた骨箱は、ほんのりと暖かかったです。
これで父を見送るすべての手順を踏んだはず、なのですが。どうにも実感がわいてこない、というのが正直なところだったりしています。両手を組んで横たわる父はあまりに痩せて老いてつめたくて、とてもあの父だとは思えなかった。この数日ずっと、そのへんからひょいと顔を出しそうな気がしてしょうがなかったんです。これからじわじわ来るのかな。どうでしょう。ひとまず今夜は眠ります。みなさま、おつかれさまでした。ありがとう。おやすみなさい。