almost everyday.

its a matter of taste, yeah

兆しに身を任せて賭けてみたい

部屋の主は6時出勤、ふとんの中から背中を見送った後ふたたび意識を失い8時すぎまで熟睡。風は今朝も強いです。よく晴れた道をうろ覚えで辿り、メトロで銀座まで。この週末はずっと酒が抜けきらずしたがって腹も空かず、松屋近くのスタバでほうじ茶ラテなど飲んでみたのが一応の朝食がわり。…と、呼んでもいいのでしょうかそれは。ゆっくりと時間をかけてマグを干した後は、天気がいいので辺りを散歩。銀座と有楽町と東京と日比谷と新橋、の位置関係が実はいまだによく分かりません。ちょっと歩くとすぐに有楽町に着いてしまう。
お昼すぎ、友人と合流。美味しいフレンチと美味しいワイン、なごやかなひととき。お目にかかるのはずいぶん久しぶりのはずなのに、ところどころでぴたりと呼吸が重なる感じが絶妙でした。そしてやっぱり今日も飲んでる。5年間勤めた職場をやめたばかりだという彼は、あと何日もしないうちにフランスへ旅立つのだそうです。お餞別と称し押しつけてきたのはペトラ・ヘイデンのセル・アウトと、おまけにもひとつ09年によく聴いた曲の詰め合わせ。ハヴァナイストリップ。楽しい時間をありがとう。
15時半のバスに乗り込み首都に別れを告げ、現実世界へ戻ってきたわたしを待っていたのは大いなる二つの惨事でした。
まず第一に、バスを降りて駐車場へと向かう途中、段差に足をとられ派手に転倒いたしました。停留所に着いたのは18時すぎ、辺りはすっかり暗くなってたので段差に全く気がつかなかったのですね。躓いてから地面に倒れこむまでの刹那、目に映る世界がスローモーションに切り替わるほどの鮮やかな転びかたでした。真後ろを歩いていた初老のご夫婦が慌てて駆け寄ってきて「大丈夫?立てる?歩ける?」と眉根を寄せて尋ねてくれたので、理性のかけらをふりしぼってにっこり笑顔で「どこも痛くありません。ありがとう」と答えたけれども、本当のところは気を失いそうなくらいあちこち痛くてたまりませんでした。車に乗り込み大きくひとつ息を吸って、意を決してズボンの裾をめくってみたら右膝の皮がべろり。他には左肘に大きな内出血、左手のひらに擦り傷。あらかた見えないところで済んだのが不幸中の幸いでしょうか。3箇所が3箇所とも、そこにあたらしく心臓ができたみたいにどくどく力強く脈打っております。お風呂がこわい。
そして第二の惨事。昨日はよほど寒かったようで、ここらじゃ滅多に凍ることのない水道管がめずらしくガチガチになった模様。その後遺症なのか何なのか理由は定かじゃありませんが、ベランダに外置きしてる洗濯機へ繋いだ蛇口から水がだだ漏れになってました。頭はまっしろ、血の気が引いて足がふるえた。とにかく急いで元栓を止めて、階段を転げ落ちる勢いで階下の部屋をノックして事情を説明、平身低頭でまずはお詫び。幸いにも滴り落ちる水の勢いはそれほど強くなかったらしく、ふしぎそうに首を傾げて「うーん?雪解け水かと思ってました」と言ってもらえたのでまずはほっと胸をなでおろしました。それはそれでいいとして、果たして次回の水道料金はいったい幾らになるのでしょう。まったく想像がつきません。恐ろしさのあまり、そちら方面の事情に明るい友人へ助けを求めたらすぐに電話をかけてきてくれて、「そんなに酷いことにはならないと思うよ」と慰めてもらえたのでようやく落ち着きを取り戻しつつあります。怖かった。ほんとうに怖かった。
それにしても。洗濯機が外置きだったことだけが唯一の救いでした。もしもこれが室内置きで、部屋じゅう水浸しになって下んちに迷惑かけてたら…?と思うと心底ぞっとします。それからもうひとつ、厄年ってこういうときに便利だよな。とも思いました。自分に都合のわるいことは全部、便宜的に厄年のせいにしてしまえるんですもの。何があっても厄のせい。わるいのはわたしじゃない。そんなふうに考えてしまってもいいですか?少なくともこの2件についてだけは。
でもね、そんな大惨事がふたつあってもちっともびくともしないくらい、心の底から楽しい週末だったんだよ。そのふたつを差し引いてもぜんぜん色褪せたりしないくらいパーフェクトに楽しかったんだよ。ってことだけは明らかにしておかなければいけません。膝が痛かろうが洗濯ができなかろうが明日からふたたび仕事だろうが、とりあえず今はまだあの余韻だけでただただ幸せです。おやすみなさい。