almost everyday.

its a matter of taste, yeah

sing sing sing

夫は7時に起きて出勤、わたしは9時にフォーラムへ。「ノルウェイの森」を見てきました。詳細は下のほうで。
映画が終わったらちょうどお昼、エスパルでかるくごはん食べて福島へ。同僚さんが市民ジャズオーケストラのチケットを分けてくれたので、会場のこむこむへ向かいました。ここに入るのは初めてです。キャパはおそらく300くらい?小ぢんまりとしてはいるけど、天井が高くて解放的なホールです。同僚さんは今回も短いソロをとってました。かっこよかった!大ラスのsing sing singではドラムとクラリネットの長い長いソロがよかったな。楽しかったー。それでは以下、ノルウェイの森の話など。ネタバレなのでたたんでおきます。ご注意を。
一言で言うと、もろもろ解りづらい映画化でした。原作が上下巻に及ぶ長い話で、ストーリーもだいぶ込み入ってることを思えばある程度はまあ致し方ないと思えるのだけれど「込み入ってる」と「解りづらい」は違うでしょうよと。ワタナベに繰り返し「込み入ってるんだ」って言わせるのは言い訳みたいで狡いんじゃないかと。原作を読まずに、つまり予備知識なしでこの映画をみるひと*1にはこのままならなさがずいぶん単純で不可解なものとして映るんじゃないか、と要らぬ心配をしてみたりとか。
二十歳すぎてそれなりに分別もついてからあの原作を読んだ身からすると、何て言ったらいいんでしょうか。足りない描写を記憶で補完しながら話を追っていく感じ?とにかく人の描き込みが足りない。特にレイコさん。彼女がどんなひとなのか、あれじゃ全く伝わってこないです。滝とか棘とか蜘蛛やなんかを舐めるように撮ってみたり空から引きで雪原撮ったりするよりまずはもっと人を、その関係を映し出してよ。と思いながら見てました。ところどころで強く印象に残るシーン*2もあっただけに、そのあたりがとても残念でした。「叙情的」な世界を「言葉少な」に描こうとしたつもりが、「言葉足らず」の「雰囲気もの」に堕してないか?と。それから、緑。緑がどうにもアレすぎました。見た目や雰囲気はすごくはまってるのに、口を開くとやたら早口で棒読み…。せつない。
気を取り直して、よかったところの話など。まず、映像と美術はとても綺麗でした。ジョニーさんの音は感情のうねりに寄り添って効果的に使われてるなあ、という印象。それと端役がえらい豪華でした。バイト先の店長が細野さん、寮の門番が高橋さんだと気づいた時には思わずにやりとしてしまったよ。そのうちどこかに坂本さんが出てきやしないかとどきどきしました。できることなら糸井さんの役を教授にお願いしたかったです。見たかったなあ、教授as教授。
それともうひとつ、突撃隊as柄本時生がイメージどんぴしゃで素晴らしかったです。出番こそごくわずかだったけど、今後原作を読み返すときは間違いなく突撃隊=彼で脳内再生されるだろうなという予感がひしひしと。あの子いいなあ。冴えないのに何故か目が離せないあの佇まい。稀有な存在だと思います。
最後に、ここでは全く関係ない話をひとつ。緑が青森旅行の顛末をワタナベに語るところでふと思い出したんですが、青森新幹線のCMは何故松ケンを起用しなかったのでしょうね?地元の星だろうに。いや、意外にそうでもないのか?わからない。他、また何か思い出したら追加します。おやすみなさい。

*1:この作品の場合、そういうひとがどれほど存在するのか見当もつきませんが

*2:直子からの手紙を受け取ったワタナベが階段をぐるぐる駆け上がっていくところとか