almost everyday.

its a matter of taste, yeah

家へ帰ろう

  • フォーラムにて家へ帰ろう。予告編を観て「これはきっと良作に違いない」と確信に近い予感を抱き、以後一切の事前情報を断ってこの日を迎えました。予感はやはり正しかった。素晴らしい。
  • 娘たちに住み慣れた家を売られ、不自由な右脚の切断を迫られたうえ老人ホーム送りを目前に控えた元仕立て屋の老人、アブラハム。とある約束を果たすべくアルゼンチンから遠く離れた故郷ポーランドへ家出同然の旅に出るが、命の恩人とは70年間音信不通。果たして再会は叶うのか…?というお話。戦前のダンスホールでの生演奏が次第にテンポを上げて熱を帯びていくさま、iPhone6を欲しがる孫娘との丁々発止のやりとりを対比させるオープニングからぐいぐい物語に引き込まれました。
  • かくして御歳88歳の珍道中が幕を開けるわけですが、脚本がいいのか演出がいいのか編集がいいのかあるいはその全部なのかわたしには判断がつかないけれど、フックも展開もいちいち絶妙なんですね。台詞も映像も描写も決して多くを語らないのに説明不足感がなく、事の成り行きのひとつひとつが腑に落ちて、かつ細部の解釈を観客に委ねる遊びの幅も過不足なく与えられているというか。何を書いてもネタバレになりそうなのでこれ以上は控えますが、こういう映画が好きだなあもっと観たいなあ…とじんわりいい気持ちに満たされた次第であります。あまりに良くて終映後にパンフレットを買い求めたのですが、林家木久扇師匠にコメントを求める配給の人選の妙まで含めて完璧。小遊三師匠でも好楽師匠でも圓楽師匠でもなく木久扇師匠というセレクトにしびれました。しっかり読み込んで余韻にどっぷり浸ろうと思います。

  • 朝食はちぎりパン。買い置きのホットケーキミックスとベーコン、中途半端に余していた牛乳をちょうどいい感じに使い切れて大満足でした。ほの甘い生地に肉製品の組み合わせはなるほどホットドッグに似ているかも。
  • 映画の後は東照宮の豆まきに。毎年2月3日に行われているという催し、今年はちょうど日曜なので運よく参加できました。楽しかった〜!

  • 豆やら餅やらパンやらがバンバン飛んでくる景気の良い催しとあって多少の押し合いへし合いはあるものの、我先にと人をかき分けて前に出ようとする不届き者は皆無。豆をまく人*1もキャッチする側も全員善男善女というきわめて治安のよい平和な催しでありました。おやすみなさい。

*1:厄年のお祓いを終えた年男&年女の皆さん、そして地元小学生の代表らしい