almost everyday.

its a matter of taste, yeah

テルアビブ・オン・ファイア

  • 朝いち、チネでテルアビブ・オン・ファイア。シリアスな題材を扱いながらもクスッと笑えるコメディとの触れ込みに期待して臨んだところ、想像以上に好みの作風でした。劇中劇で始まる導入部、些細なセリフ回しをめぐるテンポのよい会話劇。冒頭5分で「おお、これは好みの脚本だ…!」と確信させてもらえました。大当たり。
  • 作品の背景や民族対立にまつわるあれこれは公式サイトほかをあたっていただくとして、何がいいって主人公の適当ぶりが絶妙なんですね。いかにも物事を深く考えなさそうで行動がいちいち行き当たりばったりで、物語の展開もご都合主義っちゃご都合主義なんだけど妙に落ち着き払ってるんですよこの人。検問所の司令官に詰め寄られたり元カノのお父さんに睨まれたりドラマの主演女優に粉かけられたりしたらふつう、慌てふためいたり口ごもったり目が泳いだりしそうなもんなのにこの人は違う。常に何かこう、妙にへラ〜っとしてるんです。稟議や承認が要るであろう重要事項への介入を迫られても「よしきた」「約束する」で即決。口から出まかせにも程がある、にもかかわらず何でか知らんが妙なもっともらしさがある。でたらめではなく適度に当たってるほうの適当かもしれない、と思わされてしまう人たらし感が。
  • このサラーム役、実はまだまだ若い俳優なのかな?と気になってクレジットを見てみたら78年生まれの40代。あの酸いも甘いも噛み分ける蔭のある顔つきに、余分な肉がほとんどない細い腰回りを兼ね備えるとはとんだクセ者かもしれません。検問所でシャツをめくってくるっと一周させられるシーン、思わずじっと見入ってしまったではないか。お腹まわりがすっきりしている同世代をみるとこちらの気合も入るというものです。
  • あとはそう、根深い対立を抱えながらも人にはそれぞれそれぞれ日々の営みがあって、どちらが正解でも正義でもないことを示すようにフラットな目線で描かれているのがとてもよかったです。些細な習慣の違いが新聞沙汰にもなりうるというシリアスな現実が、ちょっと目線を変えてみせることでこの上なく知的なユーモアへと昇華されている。真の意味での悪役が誰ひとり出てこないところも最高でした。ちゃっかり職権乱用しまくるばかりか恐喝まがいの尋問も辞さない司令官だって、家に帰ればあっけなく奥方の尻に敷かれちゃうのです。これこそ人間味ってやつよね。
  • 朝は朝で出かける前にえいやっと年賀状を書き上げるなど。表も裏も印刷なんですけど、何かひと言書き添えるのが楽しい&もらう側としても嬉しいな〜と思います。ここ3年くらいは近況報告を兼ねて旅先で撮った写真も入れ込むシリーズにそこそこ反応があって、家族全員の変顔写真やノリノリの奇跡の一枚で応戦(?)してもらえたりするので年明け早々楽しいです。子どもの写真のみの年賀状も「こんなに大きくなって…!」的驚きがあってよいものだけど、直接の友人であるところの親御さんも一緒だったらなお嬉しいんだよな。個人の意見です。

  • お昼は昨夜のアヒージョを余さず食べ尽くすオイルスパゲティ、おやつはミスド×中村屋。四川麻婆豆腐やインドカリーといったレッドホット系も大いに気になったのですが、結局日和ってクリームシチューとビーフシチューを選択。どっちも美味しかったです。パイが美味しい。パイが。
  • 午後はこちらでぬくぬくと。外湯の檜風呂は冬至仕様のゆず湯でした。檜とゆずの香りが外気に溶け合うあの感じ、すばらしいな…!サウナは遠目にみた感じたぶん100℃くらいあって、立て膝ついてぼんやりしてたら膝と腿とがチリチリ赤くなってくる灼熱系でした。ふいー、今日もいいチルだった。
  • M-1はいちばん笑ったコンビがあの勢いのまま優勝してくれて嬉しかったです。それはそれとして、歳を重ねるにつれ笑いの幅がどんどん狭くなりつつあるというか、いちど嫌悪感を抱いてしまったネタあるいはコンビを以後まったく受け付けなくなってしまってきている事実に気付いて少し目の前が暗くなりました。そんなことよりもっとフラットな目で、常にネタごとに面白がれたり笑えたりできたらいいのに。しがらみやバックグラウンドなんかはいったん置いとくことにして、いま披露されているネタだけを楽しめたらいいのに。自分の狭量さが恨めしくなりました。おやすみなさい。