almost everyday.

its a matter of taste, yeah

音楽

  • 仕事終わり、チネのレイトで音楽。なんて言ったらいいんだろう、画も音も演出も何もかも独特で、初めて観る作風のアニメ映画でした。
  • まずは画。実際の写真にセルを重ねてそのまま絵筆で彩色したかのように写実的かつ叙情的な背景を背負った人物たちが、この上なく簡素なギャグテイストのキャラデザでもって、にも関わらず異様に生き生きと生身の人間みたいに動くのがやたら新鮮でした。それでいて表情の動きは最小限で、サザエさんちびまる子ちゃんのような庶民的王道感すら漂わせているのですよね。何なんだろうこの感じ。とにかく作画にめちゃくちゃ時間をかけてるんだろうな、ってことはアニメに関する知識を持たないわたしにもすごくよく伝わってきました。すごい。
  • 次に音。良い。シンプルに良い。伝え聞いていた製作陣をみればその良さはお墨付きというか単純にわたしの好みど真ん中ってだけの話かもしれないんだけどそれはそれとして、エンドロールにゲラーズの名前が出てきたのにはある種の感慨すら覚えました。楽器に触れたことのない3人が、何の知識もないまま音を出した瞬間の、文字通り世界がぐるりと変わってしまうあの描写。「あのさ、なんかすげー気持ちよかった」「おれも」「おれも」というシンプル極まりないあの短い会話の混じりっ気なしの喜びに指先がぶるぶる震えました。あまりにもささやか過ぎて誰も描こうとはしないかもしれない、しかしものすごく尊い瞬間が完璧に具現化されてしまった。
  • とてもじゃないが高校生には見えない主人公の常人離れした佇まいとある種スリリングなまでの寡黙さは坂本慎太郎由来成分として置いとくにしても、第二の主人公と呼んで差し支えないであろう森田が音を浴びる際の心象風景の豊かさときたらそれはもう素晴らしかったです。CV平岩紙のクレジットには「そう来たか!」と膝を打ちました。クライマックスのライブ演出にはレディングでもグラストンベリーでもなくワイト島を感じたし、アビイロードや原子心母といったレジェンドクラスのあれこれを想起させる小ネタの数々も心憎かったです。岡村ちゃんは絶対アレだろ、って思ってたところが最後に答え合わせできて嬉しかった。他にも何か、思い出したらまた後で。おやすみなさい。