
- 午後、フォーラムでキノ・ライカ 小さな町の映画館。アキ・カウリスマキが故郷のカルッキラ(ヘルシンキのベッドタウン)に映画館をつくるドキュメンタリー、「キノ・ライカへようこそ」のひと言から協賛ロゴが次々に映し出されたその後に「ほら、ライカ。おすわりして?」「ワン!」というやりとりがなんとも微笑ましく冒頭から心を鷲掴みにされてしまいました。
- 深い森を走る車の後部座席から運転席と助手席の対話を捉えるシーンを多用していることからも分かる通り、この町で暮らすひとたちの声を注意深く拾い上げるようにそっと寄り添うさまがとても印象的。「おらが町の名匠が映画館までつくってくれるなんて…!」という喜びと期待にわくわくが止まらない地元の誰もが監督の作品の名を挙げあれが好きだこれも好きだ俺は出たぞみたいな話が数珠つなぎに連なっていくのだけれど、これってご本人が見たら相当こそばゆいと思うんですよね。いや、ちょっとくらいは満足げに胸を張りたくなるものかしら。いずれにしても、本人の監督作ならこうはいかないだろうなと思わされる賛辞の数々にニヤニヤが止まりません。なんだか嬉しくなってきちゃう。地元民でもないのに。
- とりわけ胸にグッと来たのはジャームッシュのインタビュアーが終始楽しそうな笑みを浮かべてて、時折ふっと目線を合わせて「だよなあ、アイツ最高だもんな」とでも言いたげに微笑み合う瞬間。それと、後部座席からのアングルが映画館に到着するタイミングでスクリーンへと移った瞬間でした。ああもう、こんなのぞくぞくしちゃう!深く甘い大人の男の色気と哀愁を漂わせる篠原敏武の歌声もぴったりでした。その後の話はまた後で。