almost everyday.

its a matter of taste, yeah

青い森と青い海

8時30分に宿を出て(なぜはっきりと時間を覚えているかというと、『純情きらり』を見終えてすぐにチェックアウトしたから。ここ数日で相方もすっかりはまっております。しめしめ)、まずは駅近くの物産センターへ。車を置いて八甲田丸を見に行くべく歩きました。曇天の下で見る青森の海は、暗くて青い色をしています。何だか妙な具合に心に残ってしまいそうな色。この海を眺めながら歩く橋の名は「ラブロード」というらしいのですが、それは少々恥ずかしいような気がしました。もっと素っ気ない名前のほうがかっこいいのに。

物産センターでは朝食がわりに食べ歩き。厚切りりんごがどっさり入ったハート型のアップルパイが美味でした。それから、怖いもの見たさで「ほたてソフトクリーム」なるものをおそるおそるオーダー。いざ食べてみるとほんのり塩味、という程度で特にほたての味はしませんでした。ほっ。

続いて、市の中心部から少し離れたところにある「三内丸山遺跡」へ。日本最大級の縄文集落跡なんだそうです。なんでも、最初は近くにある運動公園に野球場を併設するための土地だったらしいんですが、いざ工事を始めてみたら土器やら遺跡やらわさわさ出てきて建設どころじゃなくなってしまったのだとか。そこからおよそ10年で、この立派な展示館が造られたのだそうです。しかも入場無料。フットワーク軽いな、青森。

さらなる驚きは、この施設の奥にオープン間近の県立美術館があったということ。そして、この連休の3日間に限り、最後の無料開放をしているということ!すごいすごいすごい。青森市内の至るところにこの美術館の開館ポスターが貼られていて、それがとても印象的なデザインだったもんで「いいなあ、行ってみたいなあ。でも夏オープンだもんなあ、残念だ」と思っていたため願ったり叶ったりなサプライズなのでした。うれしいー。白を基調とした明るくも落ち着いたデザインは、美術館という場所特有の重厚さを保ちながらも開放感に満ちている、気がしました。地下2階の屋外にたたずむ奈良美智さんの「あおもり犬」はとても大きく(高さ8.5メートルだそうです)、下から見上げると圧倒されるほど。いいもの見ました。うれしいな。

お昼ごはんは遺跡館内のレストランで。発掘丼、という名のごはんものをいただきました。古代米の味ごはんにほたてや白身魚、煮しめたしいたけやごぼうなどが入っていておいしかったです。こういったレジャー地に併設されてるレストランというのは大抵、味も盛り付けもぞんざいで値段だけがやたらに強気であるように思うのですが、ここは全体的にクオリティが高くしかも良心的なお値段だなあという気がしました。よかった。

遺跡を出た後、高速に乗って一気に花巻まで。今日の宿は建物自体がとても古いうえ、自炊部という長期宿泊者向けの部屋(つまり、一般向けよりも質素な部屋だということ)でもあることからどんなもんかとわくわくしていたのですが、実際に着いて見たその佇まいは我々の想像をはるかに凌駕していました。窓枠がサッシじゃなくて、壁がところどころ落ちかけていて、なんていうかもう全体的に朽ち果てかけているというか、平たく言うと実写版つげ義春みたいな。びびりましたがとりあえずチェックイン(という言葉がここまで似合わない宿も初めてです)、館内はさらにはげしく古びていました。早めの夕食をいただいてお風呂に入り、亀田兄弟の試合を見て即座に就寝。天井のしみが怖いです。おやすみなさい。