almost everyday.

its a matter of taste, yeah

満たされるのが怖いときもあるよ

今朝、すごいものを見ました。

いつものように車に乗って、家を出てふと助手席側の窓を見たらば、スズムシ?みたいな感じの鮮やかなきみどり色の虫が一匹、夜露に濡れたガラスにちょこんとくっついてるんです。で、信号が青になって、車が動き出して、そのまま60km/hくらいまで加速しても何故だか必死にへばりついてるんです。ああいう野の虫を上からじゃなくてお腹の側から見ることなんて滅多にないので気になって、信号待ちのたびにそちらをじーっと見てたら、前足で顔をボリボリ掻いてたり自分の触覚べろべろ舐めたりやたら愛嬌のある動きをしてて、何だか妙にその虫がかわいく見えてきてしまいました。でもって、車が動き出したらやっぱり、6本足で踏ん張って羽根をびらびら言わせながらがむしゃらにへばりついてるんです。何なんだろうこれは。振り落とされたら死ぬ、って思ってたのかしら?もしかしたら。こうなったらもうどこまで耐えるか見てみたい、というわけでますますそちらが気になって仕方なかったのですが、何とびっくりその虫は見事わが職場まで踏ん張り続けたのでありました。うちから職場までの距離、どう少なく見積もっても12キロはあるのに。でもって、直線続きだから80km/hくらい出てることもあるのに。何このど根性。やばい朝から泣けてきちゃったよ。虫でさえこんなに健気だってのに、わたしは何をぐらぐらしてるのかと。ああ、がんばらなくちゃなわたしもいろいろ。

この職場まわりの、暑くも寒くもない季節の、よく晴れた昼間の光というやつは。何だかもう圧倒的に屈託なくやわらかくすこーんと真っ直ぐにすべてのものを射抜いてきらきら輝いていて、どうしていいのかわからなくなることがあります。もう半年もここで働いてるっていうのに、未だに。ずっと昔の晴れた日の、幸せだった記憶がぶわぶわと桜吹雪が舞うみたいによみがえって来て何もできずにぼんやりとしてしまいます。もしもこの辺りに引っ越してきて、毎日毎日この日差しを浴びてまどろむ生活を送ったりしたら、わたしの中の(もともとそんなに多くない)社会的な機能が壊れてしまうかもしれない。とかそういうことまで脳裏をかすめて、何だかひどく落ち込んでしまうのです。苦しい。

暑くて短い夏が終わって、仕事のごたごたもどうにか抜け出し、日が暮れるのも早くなって、気付いてみたらばやけに気持ちが傾いているのでした。自分はいつからこんなに泣く人間になったのかしら。わからないよ。泣けるだけまだいいってことかな。そういうことにしておこう。おやすみなさい。