- 週をまたいでひたすら延々リテイクを命じられていた仕事、最後の最後にどんでん返し。A案とB案をふたつ同時にまとめる作業に頭を悩ませ七転八倒していたのですが「やっぱりB案つまんねえな。分かった。やめやめ」「…ということは…?」「A案一本で行くぞ。C案?いらね。つまらん作業に労力割く必要なんぞ無え」
- と言うわけで、思いがけなく向こう1か月の雑務が半分になるの巻。拍子抜け、っつうか完全に口半開きのままアホ面下げてそそくさと退出、のち光の速さで根回しを済ませ、ひょっとして億が一「やっぱりC案やってみろ」などと言われた場合にきっちりNOを言えるようガッチリ外堀埋めたところで本日は打ち止め。長い長い戦いでありました。つかれた…。どれ、ちょっと寝るべか。続きがあればまた後ほど。
白書
- オープニング曲を聴きはじめてまず最初に感じたのは「あれ、声が軽い。軽くて遠い。歌いかた、というか声質そのものが変わった?」という違和感でした。
- paioniaさんのすごいところ、それは曲のよさであり音の間違いなさでありそして何よりあの歌声の途方もない濃密さである。とわたしはこれまで勝手にずっとそう思い続けてきたので、この違和感には肩すかしを食らったと言うよりはっきり失望に近い感覚を味わいました。が、やはりと言うか何と言うか、paioniaさんはそんなもんじゃなかったのでした。
- というのも。4曲め「左右」でいきなり、冒頭から音の質感がぐっと色濃く鮮明になったと感じたんです。音の輪郭がくっきりして、解像度が格段に上がったような。小さなライブハウスのステージで、今まさにその音が奏でられている瞬間に立ち会っているような。声さえもいつの間にかぐっと近づいて、息継ぎのほんの僅かな吐息による空気の振動さえも感じられるような、そんな気がしたんです。
- ここに最初のクライマックスを持ってくる狙いがあって、あえて序盤を抑えたミックスに留めているのだとしたら。その企みはきわめて精緻かつ効果的だと思います。素晴らしいの。本当に。ヘッドホンで聴いてると、声も音もあまりに研ぎ澄まされていて息をするのも忘れてしまいそうになります。たまらない。売れてくれ。頼む、本当に、売れてくれ。おやすみなさい。