almost everyday.

its a matter of taste, yeah

リスニング クッキング

作家・村上春樹は言いました。「ニール・ヤングって、きんぴらを作りながら聴くとほんとにいいですね。」*1
料理家・ケンタロウは言いました。「ある日スティービー・ワンダーを聴いて麻婆豆腐を作っていて、どうも違うと思って林檎にかえたら素晴らしく合った。以来、麻婆豆腐には林檎。アナーキーでいかす。」*2

・・・ジャンルは違えどそれぞれプロのおふたり、その下にこうして文字を連ねるのはもう申し訳ないような気さえするのだけど(そもそもこの人達を同じ文脈に置いてることからしておかしい)、実際にそう感じてしまったものは仕方がない。えーい。

わたしはこう思いました。「昆布だしを取ってるときって、イアン・ブラウンの声がなんともしっくり来るよなぁ。」

ごめんなさいごめんなさい、何度でも謝ります。でも、本当にそう思ってしまったのですよ。しみじみ、すーっとじんわりなじむ。あの、昆布を浸した鍋が煮立つのを待ってる間、あの待ち遠しくて手持ちぶさたな気分にとてもよく合います。実際に聴いてたのはストーンローゼズだったのだけど、曲や演奏よりも、あの声。間違いないです。イアン好きかつお料理好きな方、ぜひ一度お試しください。本当に本当ですから。

普段は即席だしでささっと作って済ませてしまうお料理も、ひと手間かけるとただそれだけで感動的なおいしさになりますね。あまりの違いにめまいすらおぼえるほど、素晴らしく美味しかったです、お味噌汁。ビバ日高昆布。

(*1・・・マガジンハウス刊『村上ラヂオ』より)
(*2・・・ソニーマガジンズ刊『ケンタロウ+キッチンでおいしい生活』より)