almost everyday.

its a matter of taste, yeah

お鼻が長いのね

星になった少年」の試写会は本日福島市内にて行われるわけですが。わたしは現在そこから120kmばかし離れたいわき市に住む身であり、しかも今日は平日ど真ん中というわけで近くの友人を誘うのはさすがに憚られるなぁと思っておりました。が、毎度おなじみの後輩くんにちらりとこれを話してみたところ「行きたい行きたいぜったい行くっす休み取るっす」とかーなーり乗り気になってしまい、本当に半休までもぎ取ってきてしまったので「いいのぉ?まじで?」と訝りながらも言われるままにフクシマシティ(※いちおう県庁所在地)までお連れしてきた次第です。たのしかった。

柳楽さんと象のランディ、それに監督と原作者がステージに上がるのは全国でもここが初(もしかしたらここだけかも?)ということで、本日入場できたわたしたちはかーなーりラッキーなのだそうです。ほええ。柳楽さんを背中に乗せて登場したランディはものすごく芸達者で、総重量が3トンあるという雄大な身体を実に優雅に揺すぷっていろんなパフォーマンスを見せてくれました。ハーモニカ吹いたりボールを蹴ったり子供を鼻で抱き上げたり地面に横たわった人をまたいで歩いたり(タイには『象にまたがれたひとは幸運になれる』という言い伝えがあるらしく、今回はヒット祈願のためスタッフさんがまたがれ役になってました)、なんかもうすごいです。スポットライトに照らされた身体には細かい体毛がふわふわとそよいでいて、黒くつややかな目はきらきら輝いておりましたよ。柳楽さんにはオーラというものがほとんどなく、ほんとうにその辺でサッカーとかしてそうな育ちざかりの恥ずかしがりな男の子という印象でした。あのナチュラルさで不意にこちらを射抜くような目をされたりしたら、そりゃもう一発で心を奪われるというものです。へんな優越感とか捻じ曲がった自意識とか、そういう要らんものを背負い込まずに大きくなったらいいなぁ。なんてことを思いました。

本編は、画がすばらしくきれいでした。舞台が日本からタイへ移った瞬間、色彩というか空気がいきなり匂い立つように生々しくなったのがとても印象に残っています。そして、柳楽さんはちっとも「演じて」いませんでした。ただの一人の男の子としてあの世界の中にいる、決して技巧的ではなくどちらかといえばぎこちないくらいの居心地わるさを漂わせたまま時折ぞくっとするような表情を見せる、という佇まいがよかったです。次はもっと陰のある役に挑戦してほしいなぁ。あの目力を駆使して。

会場を出たときにはもう21時を回っていました。いい感じにお腹がすいていたので、近くのカレー屋で遅い夕食をとり高速使って一気に帰宅。後輩くんも満喫してくれたみたいでよかったよかった。それではおやすみなさいませ。