almost everyday.

its a matter of taste, yeah

潮騒 / 三島由紀夫

へばって帰ってきたんだったらさっさとふとんに入ればいいのに、こういう感じに変なくたびれかたをしたときに限って胸の奥のもやもやが活字を欲するので困ります。そして大概こういうときは、ひどく荒んだ残酷物語もしくはそれと正反対の清らかなお話のどちらかが読みたくなるみたいです(自分の場合)。で、本日は後者。
登場人物の台詞に方言を用いることで純粋さを際立たせるという手法には、つい勝手に都会のひとの上から目線を感じてしまって卑屈な思いをさせられることもあるわけですが、これはもう、海も人も何もかもがきらきらとみずみずしく描かれているので余計なことは何も考えずに読めてしまいます。例の有名な「その火を飛び越してきたら」のくだりよりもぐっとくるところ、いくつもあります。自分の中ではエバーグリーン。