almost everyday.

its a matter of taste, yeah

寝ても覚めても

  • 朝いち、MOVIXで寝ても覚めても。観ていてぞくぞくさせられる、片時も目が離せない映画でした。とても魅き込まれた。
  • 物語が纏う雰囲気は冒頭からどこか危なっかしくふわふわしていて、展開のひとつひとつが現実味を欠いているものの、その唐突さやありえなさが逆説的とも言えるリアリティをもたらしていると感じました。日常生活にわかりやすい起承転結など存在せず、起こりうるほぼ全ての物事が偶然であるという事実を突きつけられるかのよう。そして、その偶然を必然と信じたがる身勝手さをも見透かされているかのよう。
  • 寝ても覚めても」というタイトルが示すとおり、夢うつつの不確かさに満ちた物語にヒリヒリした生身の感情をもたらすのは主演3人の友人たち。特に、マヤと串橋が初対面にして火花を散らす場面は、もうひとつのクライマックスと呼んで差し支えない切実さと諦めと枯れない若さがほとばしっていました。大阪ユニットの春代は、真綿で首を絞めるような本作のガス抜きたる笑いを一手に担っていて頼もしいとしか言いようがなかった。そして岡崎こと渡辺大知が、あんなに振れ幅の大きな演技を見せてくれるなんて。びっくりしました。
  • 不意に映し出されるiPhoneのUIは懐かしさすら覚えるほどに古めかしく、ほどなくしてその理由がこの上ない自然さでもって明らかになるストーリー運びに目をみはりました。本作が商業映画デビュー作という濱口竜介監督は過去にそうしたドキュメンタリーを手がけてきたとのこと、直截的な描写や説明的なセリフに頼らない演出がどれもストンと腑に落ちたのはこのためでしょうか。別離の予兆を思わせる引きのカメラワーク、走り去るふたりを追わないロングショットなど、印象に残る場面は枚挙にいとまがありません。
  • 正直なところこれまで一度も東出昌大を巧い役者だと思ったことがなくて、それは本作を見終えた今も変わらないのだけど、そのぎこちなさや不器用さ、そしてどこか得体の知れないミステリアスさがこの上ない最高のかたちで生かされていると感じました。茫洋として何を考えているのかわからない、線が細くて儚げなのに不思議な存在感を放つ唐田えりかもとても良かった。原作小説はこれから読みます。とても楽しみ。
  • それにしてもまあ、あれだ。1年間楽しみに待ち焦がれていたジャズフェスの日に雨が降るほど興醒めなこともそうありませんね。本当にね!ひどいよ。
  • 先発は岸。8連敗のち3連勝。ホームで勝ち試合が観られたの、いったいいつ以来でしたかね…?2回に突如爆発した打線、村林の例の悪夢を払拭するに至ってほしいプロ初タイムリー、そして何より1軍復帰即スタメンの藤田によるホームランそして猛打賞。包み隠さず打ち明けるなら「いきなり?マジで?大丈夫なの?本当に?」という猜疑心がなかったとは言えないのだけど、ヒロインの本人コメントはいかにも飄々としたものでした。あらためまして、おかえりなさい。藤田。待ってた!わっしょーい!夜はこれから、よい週末を。