- 朝いち、チネでgifted / ギフテッド。「(500)日のサマー」の監督がスパイダーマンシリーズの製作を経て帰ってくる、ということでずいぶん前から楽しみにしてました。よかった。すごくよかった。今のところ2017年暫定ベストであります。
- 亡き姉が遺した姪を男手ひとつで育てる叔父と片目の猫、気のいい隣人と姪の担任教師。姪はある分野において生まれながらの天才であり、やがて疎遠だった祖母、つまり男の母が居場所を探し当ててきて…というのが物語の始まり。
- これ、描き方によってはもっとずっとえげつなく、祖母を悪役に仕立て上げることもできたと思うんです。でも、そうはしなかった。台詞だけじゃなく、ふとしたしぐさや目線の動きも含めて心の動きを丁寧に追っているので、祖母の言い分も分からなくはないと思えるだけの説得力があるんです。そういう複雑に込み入った事情を明確かつ丁寧に描かれていました。
- 黒人女性が白人男性を「(金銭的に余裕がなくて)白人の弁護士も雇えないのね」となじる場面に込められた幾重もの意味とその重たさには舌を巻いたし、その弁護士が妥協案を持ちかける場面のカメラワークは不安定に揺れ続けていて主人公の動揺そのものだったし、何というかもう「腑に落ちる」場面の連続なのです。たまりません。
- かといって全編重たい映画かというとそんなことはなく、くすっと笑えるやり取りや子供ならではの愛らしさには思わず目尻が下がります。あらゆる子供が一生の中で最もアホ可愛い時期=前歯が生え替わるほんの数か月を撮影期間にあてた製作陣の慧眼、最高。天才である子供が天衣無縫の愛らしさを発揮できる最高のタイミングだと思います。はー、素晴らしかった。
- 午後から夕方にかけては、思いがけないお誘いが相次ぎもろもろ急展開。夫ともども楽しい時間を過ごしました。幸せだったな。おやすみなさい。