- チネでピエール・エテックス レトロスペクティブより「幸福な結婚記念日」「大恋愛」。観ている間じゅうずっと、いろんなパズルのピースがカチッとはまるみたいにこれが好きで堪らないであろう面々*1やその作品が浮かんでくる稀有な体験となりました。おもしろーい!
- まずは短篇「幸福な結婚記念日」。約束の時間に間に合わない焦りがドタバタに次ぐドタバタを呼ぶコメディ、劇伴の賑やかさもあいまってモノクロらしからぬ華を感じました。煙草の吸殻や呑気な洗車の手つきなど、渋滞の描写が特に良かった。モブとモブのエンカウントも。
- 続いて長編「大恋愛」。若い女に惑わされる既婚者が狼狽えたりやらかしたりする可笑しみや情けなさだけじゃなく「俺が振った」はずの女たちがさめざめ泣いたりなんかせず、笑顔でしれっとよろしくやってるのが最高でした。制服姿で煙草スッパーふかしてた育ちの良い子のその後も知りたい。噂話に尾ひれがついてく過程を反復して描く画の色鮮やかさと内容の下世話さのコントラストのエグさときたらもう…!覗き見に気を取られて仕事がお留守になっちゃうギャルソンと、決まっていつもその餌食になるムッシューのしょんぼり顔がくすくす笑いを誘いました。来たぞ来たぞ、まただー!っていうお約束の喜びよ。粋でした。その後の話はまた後で。