almost everyday.

its a matter of taste, yeah

シアター・キャンプ

  • 朝いち、チネでシアター・キャンプ。私的20年ベストムービーのひとつ、ブックスマートにてヤリマンと噂されるクラスメイトことトリプルAに扮したモリー・ゴードンが共同脚本・監督・出演の三刀流に挑むとあってめちゃくちゃ楽しみにしてました。すっごく楽しかった!
  • 映像の質感がだいぶ古めかしいので「ん?70年代とかそこらへんの話?」と思いましたが物語の舞台はふつうにバリバリ現代。少なくともセルカ棒とvlogが既に存在してるわりと最近の話。カメラの手ブレも自然な感じでそのまま使うドキュメンタリーっぽい手法、かつ演劇あるある満載の内輪ノリで駆け抜ける作風かと思いきや意外にも各キャラ、とりわけ黒子として埋もれがちな裏方にも暖かい眼差しを向けるチャーミングな目配りが行き届いた作品でした。
  • クライマックスのミュージカルシーンにおける伏線回収へと繋がるフックが至るところに仕込まれている上、教える側も教わる側もそれなりに頭数が多いので序盤は速いテンポについてくだけで目が回りそうだったけど、開校式のレベッカ&エイモスによるネタ見せばりの挨拶だけでつかみはOKってか、どいつもこいつもクセが強くて秒で海馬に刻まれたのが最高でした。
  • 惜しむらくは94分とコンパクトな上映時間のため個々のバックグラウンドを深掘りするまでには至っていない点で、特に技術屋としてもピンチの切り札としても大車輪の活躍を見せるグレンは序盤のダンスと絡めてもうちょい人となりを描いてくれたほうがカタルシスも増したんじゃね?と思いました。ミュージカルでジョーンのパパを演じる子役が観劇に訪れた両親を「パパたち」と呼び、舞台のフィナーレで決意表明するに至るまでにはもっと様々な葛藤があったはずで、そこら辺もあとちょっと多めに見せてほしかった。全体の尺やバランスとの兼ね合いで泣く泣く削ったのかもしれませんが、ディレクターズ版が存在するならぜひ観てみたいです。