almost everyday.

its a matter of taste, yeah

でもあのジャケットは怖すぎでしょう。

10時前に起床、いつものようにサンデー・ジャポンを見終えると外は雨。めずらしく活動的にいこうと思う日に限って天気が悪いというのは、やはり日頃の行いによるものなんでしょうか。まあいいや。運だよ運。というわけで、歩くつもりがちゃっかり車でお出かけ。
現在催されている企画展「永遠のグリム童話展」を見てきました(4/12〜5/18、@いわき市立美術館)。最初の展示室にはグリム兄弟の肖像や自筆の書簡や著作物、隣へ移ると色鮮やかな挿絵やいろんな国の翻訳本。間のロビーには日本で発売されている絵本などがずらりと並べてあって、自由に読めるコーナーも設けられていました。緻密で写実的、なのにほんの少しだけ加えられたファンタジーの要素によって絵の空間がぐにゃりと歪んでしまうおそろしさ。日常と非日常の間に張られた薄い膜、それは文字どおりただの紙一重にすぎないのであって、いつどこでそれがひっくり返ってもちっとも不思議なんかじゃないという隠れた現実。普通が日常になりうる今この瞬間こそが、見方を変えれば奇跡かもしれないという逆説的な幸福。闇夜の森のごとく深く複雑な世界をいかに単純化するか、という無謀な課題を成し遂げてしまった、おまけにそれをスタンダード化させてしまった、偉大なオタク兄弟。おもしろかったです。もう一回見に行きたい。

で、本日は特別に講演会も行われました。演題は「グリム童話の面白さの秘密」。講師の小澤俊夫氏は70代の身体を颯爽と動かしながら、実に楽しそうに話しておられました。ディズニーによるグリム童話がいかに嘘っぱちか、200年も昔のグリム童話がなぜ今なお色あせない魅力をたたえているか、等について軽快な毒も交えつつ、まったく聞き手を飽きさせない90分(!)。若いなー、と思いました。特にグリムの物語構成から現代の教育問題に話が広がっていくあたりなど、びっくりするほど鮮やかな語り口。きっとおそろしく頭が切れるんだろうなぁ・・・。後ろ姿の線の細さと手足の長さ、それにちょっとしたしぐさなんかはご令息にそっくりすぎて息を呑みましたよ。いや本当。

終了後、なんだか頭の中がざわざわして落ちつかないので常設展も見てきました。高松次郎さんの作品、本当に好きです。たまらない。いつか企画展で見てみたいです。アンディ・ウォーホル「16のジャッキーの肖像」、はじめて見ました。こんなにでっかいと思わなかった。イヴ・クラインとかアルマンとか、海外の画家ですっと目を奪われるのはどういうわけかフランス・ニース出身の人ばかり。何でだ?映画「モンド」で見た色彩はいまだ目の裏に焼きついてますが。

シンク・タンク (CCCD)帰り道、近所のCD屋でブラーの新譜を購入。あのさ、なんでこんな日本じゃ売れそうにない(あ、あくまでオリコン常連な方々と比較して、ってことですよ。)作品までCCCDにならなくちゃいけないわけ?どう考えても納得できません。幸いうちのプレイヤーは10年前のソニー製なもので、そんな新手のまがいもんにはびくともしない強い子だからいいようなものの。友人の中にはこいつのせいでディスクマンが壊れたという被害者もいるし、本当に何とかしてほしいです。ていうか、そんなふうにコピーしてまで徹底的に消費される(=慈しまれることを拒む)ような大量生産の音楽を世に垂れ流すレコード会社の方がよっぽど悪いんじゃないか、と思います。はやりすたりは適当に受け流して、それぞれ勝手に好きな曲を聴いてることが良しとされればこういうことは起こらないような気がするんだけどなぁ。

肝心の中身は、デーモンの声がいっそうタフになっててすごくいいと思います。腰を据える、ということを恐れてでもいるかのような多彩な曲調。男前です。聴いたぶんだけ味が出そう。