almost everyday.

its a matter of taste, yeah

くちびるから甘い匂い

くちびるがとても乾きやすいので、年じゅうリップクリームを持ち歩いています。口紅はほとんど使いません。もともとくちびる本来の色が強い上、普段からあまり化粧をしない、それに根っから面倒くさがりである(化粧直すのって大変なのです。夏場は特に)という三つの理由により、この歳になっていまだまともなメイク道具すら所有していないという体たらくです。ゆえに、時折どうしても化粧をしなければならない事態(冠婚葬祭・本所への出張等)に直面すると、自分でも笑えるくらいにうろたえてしまいます。それもこれも成人式のとき、袴の着付けをお願いしたマダム(推定年齢65歳)の手により舞妓さん一歩手前の濃ゆい化粧を施された経験がトラウマになっているせいなのです(それでなくても濃い顔なのに、下瞼にまでアイライン入れることないじゃないかー)。あああ。

話が逸れました。リップクリームの話です。口紅があんまり好きじゃない理由については上記のとおりですが、リップグロスはわりと好きでよく使います。あのぷるんとした質感とてらてらした光沢は、とてもとてもかわいらしい上ほんのりセクシィだと思うのですよ。しかし、問題点がひとつ。夏場はとても暑苦しそうに見えませんか?あれ。冬にはぷるぷる潤って見えたくちびるも、半年たてばただ脂ぎってるようにしか見えず思わず視線をそらしたくなってしまいます。我ながら勝手だなぁとは思うけれども、事実なのでしかたありません。あくまで、個人的にそう思うだけですが。

というわけで、オールシーズンほとんど毎日リップクリームを塗りたくっています。日々使用するものなので消費スピードもなかなか速く、いろんなものを試しては気に入ったり憤慨したりの繰り返しです。そんなこんなで、長きにわたる試行錯誤の末、行きついたのが下記の2点。どちらもかばんに入れといて、その日のコンディションにより使い分けてます。

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サベックス リップクリーム(ジャータイプ)
鮮やかな青のパッケージが印象的。バニラの甘い香りとミントのほどよい刺激がいい具合にブレンドされてます。普段はクール、だけど時折見せる笑顔は可愛らしい。そんな女の子が使ってそうなイメージが素敵。リラックスしたいときにもしゃっきりしたいときにも使えるおりこうさんです。あまりべとつかず、さらりとなじむ心地よい使用感がナイス。なお、同じシリーズにはチェリーの香りもあります(パッケージはピンク色)。イッツ・アメリカンな極甘フレーバーにノックアウト。

デイリーディライト リップバーム(ピーチメルバ)
パッケージからして、見るからに甘たるそうなデザイン。その名の通りピーチメルバ(パフェみたいなもの)の写真がどーんとあしらわれてます。蓋を開けるとただそれだけで甘い空気がたちこめるほどつよい匂いなのだけど、不思議とあまり邪魔になりません。「可憐」とか「儚い」という言葉がぴったり似合いそうな、それでいて実はけっこうおてんばだったりもする女の子のイメージ。ほわほわ浮き足立った気分のとき、何かいいことありそうなときに使うと実にしっくり来ます。暖かい部屋に放置するとトロトロやわらかくなってしまうので注意。あと、つけすぎにも注意(べとべとになる)。他にも6種類の香りがあります。

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・・・・・・というわけで、これまで15年ほどの時間を費やしようやくお気に入りを見つけることができたのですが。ここに至るまでの間には、実にいろんなことがありました。

まず、わたしはどうもスティックタイプのリップクリームに縁がないようで、買ったそばからなくしてしまうため1本まるごと使い切ることはほぼ皆無でした。今はさておき90年代当時の田舎の中学生が化粧ポーチなどという大それたものを持ち歩くはずもなく、リップクリームの保管場所と言えば制服の胸ポケットと相場が決まっていたからです。それでちゃりんこ漕いだりばたばた騒いでたりすりゃそれはもう、失くさないほうが不思議って話。そういえばあの頃は皆、キャンパスリップの細ーいやつを使ってたんだよなぁ。出し過ぎたり力入れすぎたりするとすぐにボキボキ折れたんだったよなぁ。そういう事故もあいまって、リップクリームの寿命はどんどん縮んでゆくのでした。南無。

続いて、高校生になるとメンソレータムのリップクリームがスタンダード化しました。本当に、周囲を見渡せば5人に3人くらいはこれを使ってたような気がします。とにかく大流行だったのですよ。「口紅の下地にはこれ」って子もいたし、今も引き続き愛用してる人が多いのだろうと推測されます。それはともかく、わたしはあの匂いがどうもだめでした。いや、ミント〜メントール系は嫌いじゃないしむしろ好きな方なのだけど、あれは少々刺激が強すぎるような気がするのです。わたしは食べ物の好みにおいても粘膜刺激系のものを避ける傾向にあり、おろしたてのワサビや辛味の強い白髪ネギさえできることならご遠慮したいくらいなので、よけいにそう感じるのかもしれません。メンソレータム、一度くらいはまるごと使い切ってみたかったなぁ。ちなみに当時は生ヴァセリンを持ち歩いてました。無味無臭なのは良かったけれど、べとべとしすぎて暑いと溶けるし容器がデカい(30g入り)のも困りものでしたっけ。しかし当時は、それでもまだ潤いが足りないくらいにあちこち乾燥しまくっていたのですよ。毎日外で走ってたし。

で、就職してみたらば。今度は一気に選択肢が増えました。おすすめリップクリームの話題など振ろうものなら、誰に聞いても違う答えが返ってきます。好みも価格も千万差別。100均のグロスタワーを数年かけて使い切る人もいれば、ローヤルゼリー入り1本○千円のすごいブツを惜しげなく買ってしまう人だっています。どっちにしても極端な例ですが、とりあえずよく分かったのは「たいていの人は皆、何かしらの最重点項目をクリアしたものを使っている」ということ。先ほどの例で言うなら前者はコストパフォーマンス、後者はお肌の健康を何よりもまず第一に考えている、というわけです。それなら自分は、何を取る?と考えたところから、わたしのリップクリーム探しは始まりました。で、いろいろ使ってみた結果得られた答えが「匂い」だったという。ああ、単純。それでも意外に奥が深くて、上記2点にたどりつくまでだいぶ時間がかかったのですよー。おかげで今はだいぶ満足できてますが。

しかし残念なのは、この匂いがあまり人には伝わらないということです。まあ、香水のように香りを残すことそれ自体を目的としているわけではないので仕方ないと言ってしまえばそれまでなのだけど、わたしはあまり香水を使わない(どういうわけか嗅覚がかなり強いせいで、適量を振りかけているつもりでも自分の匂いに酔ってしまい「もしや周囲もこの匂いにやられているのでは?」と気が気でない)ので、せめてくちびるくらいのわずかなスペースにはいい匂いをまとっていたいわー、という気持ちもあることはあるわけで。で、なおかつそれが目の前の人にも微かに伝わればいいのに、なんてことを思ったりするわけです。

例えば一瞬のチュウの後で「いい匂いがした」なんて、一度くらいは言われてみたいではないですか!少なくとも自分の場合、そんなことがあったらまず間違いなくその男の子にはメロメロになってしまうことでしょう。自信、あります。しかし残念ながら今のところ、そういうステキな経験をしたことはありません。ひとりの女の子に強く深く愛されたい、という願望をお持ちの男子の皆様へ。「女の子の香りを褒める」というのはかなり、高ポイントだと思いますよー。たぶん。