almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2010年第10回・さいきん買ったCD

24.ばかのうた / 星野源

ばかのうた
わたし、このひとのことを何も知りませんでした。一昨年にたまたま試聴機で聴いてみた「ホニャララ」がすごくよくてその場で買って何度も何度も繰り返し聴いて、というのを思い出し「あのマリンバのひとのソロならきっといいはず」と思って聴いたらこれがまたよかった。ただし、そのよさはあちらとずいぶん違っているようないいえ全く同じような、何だかとても不思議な感じのするものでした。
話はいったん「ホニャララ」に戻って、あのマリンバの音色からなんとなく勝手に想像していた星野さんの姿かたちについて。自分の場合は、つぶらな目をぱっちり開いてまっすぐにこちらを見据えて、近づいたと思ったら急ぎ足で逃げていくうさぎやリスのような人となりを思い描いていました。あの目の覚めるような音色が、何だかとても動物ぽいなあ、と思ったんです。
で、本作。ぐるっとひと回り聴いてみて、やっぱり何だか動物ぽいひとだなあと思いました。ただし、こちらは長いまつげをふわりと伏せてのんびりと草を食むキリンやらくだのような趣。静かな曲もアップテンポな曲もあるけど、どの曲からも同じように言葉がよく響いてくるのが印象的でした。あたりまえの幸せも繰り返す日常も遠い過去も遠い未来も夢も現実もきれいごとも、すべて等しく穏やかにしみこんでくるのがとても気持ちよくて、そして何だか少しこわいです。
本作のジャケットで初めてまともに見た*1星野さんは、都会にも田舎にもいそうな、そして子供のようなおじいさんのような掴めそうで掴みきれないルックスをしておられるなあと思いました。そしてやっぱり、うさぎっぽくもありキリンみたいでもあった。いろんな顔があるひとなんだな、そうか役者さんだもんな。と感じ入りながらブックレットのうしろ4ページをふむふむと読んだところです。サケロックの旧譜も聴いてみたくなりました。
翌朝追記:さっきたまたまテレビをつけたら星野さんが出てました。開始時刻改編後の朝ドラは全く見ておらず、したがってゲゲゲの女房を見るのも今日が初めて。冒頭2分で「あれ?この顔って?」と思ったらやっぱり星野さんでした。すごいタイムリー。

*1:そういえば「ホニャララ」のアートワークには写真が使われていなかったんでした