almost everyday.

its a matter of taste, yeah

わたしは最悪。

  • 午後、フォーラムでわたしは最悪。まずはこれ、看板に偽りがありますよね。大ありですよね。完全に意図的な試みだとは分かっちゃいるけど、このひとちっとも最悪じゃない。頭脳明晰だけど頭でっかちではなく、恋人に「テキトー」と評される性格ながらも安直なワンナイトには走らない(ただしヤるよりエロい絡みがなかったとは言えない)、そして何より自分を偽ることのない率直な人柄とこのチャーミングな笑顔ですよ。わたし、これよりずっとバカで軽はずみで自分勝手で周囲を振り回してばかりの人でなしを嫌というほど見てきたよ?映画でも小説でも現実世界でも。何なら、自分もそこそこやらかしてきた自覚があるよ?こんな彼女ができたらそりゃもう、40代の歳上彼氏はメロメロでしょうて。
  • そんな感じで同性から見りゃ死角ゼロにも等しい人間味あふれる美女をヒロインに据えて描かれるのは、女としてこの世に生を受けただけで降りかかってくる厄介事や古き良き女性観といったままならないことばかり。「自分が自分の世界の主人公になりたかった(©甲本ヒロト)」の女性バージョンをこんなにも軽やかに描いてくれたのが男性監督である、という事実にだいぶびっくりしております。というか本作、むしろ男性に辛辣。コミックノベル作家を生業とする恋人にサインをねだるのが揃いも揃ってさえないメンズってのが強烈〜!恋人ご本人は作家性がアレっぽいとは言え、そこら辺の自覚もありつつ何よりシュッとしたイケメンとして描かれてるぶん余計に残酷さが際立つというか。
  • 心の動揺そのままにブレるカメラワークだとか、キマった効果を追体験できる映像効果など印象的なシーンが盛りだくさんで、ロングカットも多かったけど中だるみせず集中力を欠くこともなく上映時間があっという間に感じられました。闇に覆われることのないオスロの夏の夜がことのほか美しかったです。その他の話はまた後で。