almost everyday.

its a matter of taste, yeah

憧れを超えた侍たち 世界一への記録

  • 午後、TOHOシネマズで憧れを超えた侍たち 世界一への記録。もうね、何しろ素材が最高ですもんね。どこをどう切って貼って繋ごうがいかなる味つけを施そうが勝利の喜びと誇りが損なわれることはありませんものね。というわけで、ドーンと構えて全編ひたすらじっと見つめてもう何度目かわからない勝利の余韻に酔いしれてまいりました。ファーストカットが優勝の瞬間、しかもこれまでの数ヶ月にテレビで散々飽きるほど放送されてきたどの映像とも違う、選手たちにもっとも近く手ブレも生々しい動画から始まった時点で既に掴みはOKです。ありがとうございました。
  • メンバー選考から合宿と練習試合を経ていざプールB最初の中国戦を迎えるまで、アメリカ視察の模様が組み込まれただけでも偉いぞJ SPORTSと言えないことはないんですけど、欲を言えばここにもうひとつ加えてほしいシークエンスがありましたよね。監督の談話だけでも構わない、どうやってメジャーリーガー達の心を掴んでいったのか、その口説き文句をぜひとも知りたかった。そこだけちょっと惜しかったです。
  • 鈴木の辞退や栗林の離脱、源田の負傷に村上の苦悩と要所要所をきっちり押さえつつ大谷をフィーチャーする展開は誰しも想像できる部分かと思いますが、メキシコ戦で3失点した佐々木の姿にあれだけ迫ってみせたのは少々意外でした。涙が流れていないだけでもう憔悴しきっている佐々木、後に続いた山本、そして逆転へと導いた村上と若い世代のやりとりに重点を置いた構成に3年後への期待をひしひしと感じます。
  • それからもひとつ、言わせてください。ありがとう窪田等さん!2017年の「あの日、侍がいたグラウンド」も、2020年の「侍の名のもとに」も、フェミニーナ軟膏のCMみたいに甘ったるいナレーションがどうにもこうにもアンマッチで歯痒かったものですから、ここへ来て6年越しでようようやっとあるべき形に収まったという安堵感がすごいです。念のために補足しておきますけども、過去2作品のナレーターを個人攻撃するつもりは毛頭ございませんのでご容赦ください。ただただ作風と芸風が噛み合わなかっただけです。責められるべきは観客ニーズも適材適所をも見誤った制作サイドであると認識しています。
  • バックヤードでとにかく目立っていたのは牧。どんな時も誰より先に盛り上げ役を買って出る明るさが素晴らしく、楽天ファンであるわが身を省みてもなお「牧を選んで良かったね…」と唸るより他にありませんでした。それと、お風呂大好き近藤が終始マイペースというかリラックスした穏やかな笑みを浮かべていたのが印象的。ああ、本当に、本作がお蔵入りにならなくて良かったー!