正直なところ、2月の全選手発表を経ても大きな盛り上がりを感じるまでには至らなかったWBC。それがどうしたことでしょう、メジャー勢合流以降はあれよあれよと熱気が高まり、招集時点で「きみは誰?」状態だったヌートバーにこれほどハートを鷲掴みにされるだなんて夢にも思いませんでした。何はさておき、優勝奪還おめでとうございます。名場面を挙げていったらきりがないけど、今季開幕後につらいことがあれば(主に贔屓の負けが込んだら)折に触れこの喜びをスルメよろしく噛み締めたい所存であります。ありがとう侍ジャパン。
そんなこんなで熱狂の2週間、対戦国に敬意を表し「彼の地の料理を勝負ごはん的に食べる」という思いつきがちょっと楽しかったので経緯をここにまとめておきます。
3/9 VS中国
肉まん
全てはこの日にはじまりました。仕事絡みの予定がたまたま丸ごとすっ飛び、思いがけない暇を持て余していた午後に「中国戦なら肉まんでも作るかね〜材料もあるし」と思い立ち強力粉をこね豚ひき肉を解凍し、冷蔵庫に常備してあるもどし干し椎茸と玉ねぎを刻んで混ぜて包んで蒸したら出来上がり。味つけは醤油とオイスターソースです。この日は夫の帰りが遅く、二次発酵タイミングをちとミスってしまい膨らみがやや足りなかったのが悔やまれました。とは言え、蒸したてはやはりおいしくそれなりに満足。試合は8-1で勝利。
3/10 VS韓国
チヂミからのさつまいも春雨
夫、送別会につき不在。ひとりごはんだし適当に済まそ〜ってことで昨日も使った干し椎茸を同じように刻み、ニラと粉と水を合わせてざっとごま油で焼きました。生地の香りづけはいりこダシ、タレは食べるラー油と酢と醤油を混ぜたもの。海鮮らしきものが何ひとつ入らない雑なアレですが、ニラを粉で焼いたらそれはチヂミと呼んでよしという認識でおります(勝手に)。ビハインドをひっくり返しての大量リードに気を良くし、コストコで買ったさつまいも春雨をビビゴのプルコギたれで残り野菜とともに湯がいて〆ラーメン的に堪能。つまみのチャンジャのせクリームチーズも完食してやりたい放題でした。試合は13-4で勝利。
3/11 VS チェコ
グラーシュとクネドリーキ
「チェコと言ったらビールでしょ?」ってことで近場の酒屋を3軒回るも、こんな時に限ってドイツベルギーイタリアしかなく(たまに青島、あるいはシンハー)腹を括って冷凍庫の牛フィレサイコロ肉をトマトとクミンとマジョラムで煮るの巻。この日はこれを無理やりグラーシュ(チェコのシチュー的なやつ)と呼ぶことにしました。付け合わせは昔たしかデイリーポータルあたりで読んだ記憶を頼りにチェコのゆでパン・クネドリーキ。ふつうのパンよりだいぶイースト多めの生地をぐいぐいこねて、年越し蕎麦とお雑煮でしかほぼ使わないバカでかい鍋でグラグラゆでて糸をぐるっと回してカット。中華街の巨大豚まんのガワにも似た、ほんのり甘い生地がふかふかでおいしかったです。試合は10-2で勝利。
3/12 VSオーストラリア
ハーディーズのシャルドネ
この日は地元チームのJ2ホーム戦に足を運び、試合終わりにかるく一杯ひっかけてきたことを受けての二次会モード。正直言ってオーストラリア料理がなかなか思い浮かばなかったこともあり、現地ワイナリーの白を開けるのみにとどめました。週末たまたま遊びに来た母にもらったいちごと献血ルームでもらったクッキーその他を寄せて集めて〆パフェ的な感じでフィニッシュ。試合は7-1で勝利。
3/16 VSイタリア
3/21 VSメキシコ
3/22 VSアメリカ
アロスアマリージョからのキューバサンド
そして迎えた大一番前夜、アメリカ料理とは何ぞ…?と考えれば考えるほど訳がわからなくなり開催地であるマイアミに的を絞ってこんな感じになりました。圧力鍋で柔らかく煮てあったゆで手羽元(そのうちおでんにでもしようと思ってた)のダシとサフランで米を炊き、トマトとウスターソースを肉に絡めて添えたらギリそれっぽく見えるでしょうか。「マイアミってフロリダだよな!」という雑な認識に基づき、オリーブオイルベースのにんじんサラダには輪切りのオレンジを敷いてあります。なお、一番搾りとれたてホップは原材料(一部)が岩手県産。この日の先発・佐々木朗希とセンバツ初戦を勝利で飾った仙台育英(東北代表)にありがとうおめでとう。
試合当日朝は、とんかつ用肉で仕込んだ塩豚を焼きチーズとともにバゲットで挟んで焼いてキューバサンドにしました。こちらはタンパ名物だそうですが、まあいいべフロリダならギリOK!ということにしてます。試合は皆さまご存知のとおり、3-2で勝利。わっしょーい!!!
おまけ
祝勝会はニッポンがイチバーン!ってことでお寿司かなんかキメたい気持ちはあったのですけど、平日遅くに食べに出るのも冷えた折り詰め買っておくのもなんか違うな、と思い直して家にあるもので済ませました。塩サバ焼いて酢飯をギュッとして、余った酢飯に青海苔混ぜ込んで鮭をのっけて炭水化物祭り。干し椎茸の茶碗蒸しとあおさのりのお吸いものも添えました。それではまた、3年後に。