almost everyday.

its a matter of taste, yeah

Sometimes put myself in the past.---EASY*/Sparks Go Go

ただの思いつきにより、またしても適当なことを書いてみようと思い立ちました。ただし、今回はちょっとした明確なビジョン(らしきもの)あり。ずーっと前からしつこくしぶとく聴き続けている音源について、そのナイスな点などを簡単にご紹介しようと考えてます。ちなみに、「ずーっと前からしぶとく」の定義は一応「四捨五入して10年たつもの」と考えてください。そんなわけで最初はこちら、スパークスゴーゴーの洋楽カバーミニアルバム"EASY*"です。かっこいいのよ、これ。ほんとに。

スパークスゴーゴーは北海道倶知安出身の3ピースバンドです。メンバーは、メインソングライターかつベースを弾きつつ歌う八熊慎一さん、ギターの橘厚也さん、ドラムの橘哲也さん。ちなみに、ふたりの橘さんは兄弟です(ギターが兄)。ユニコーンと同じソニーに籍を置き、その当時から現在に至るまでこの3人で続いてる・・・ということは、そうとう長いキャリアなのですね。あらためて驚きました。一度聴いたらすんなり耳に残ってしまう人懐こいメロディはユニコーンに勝るとも劣らないすばらしさで、ビジュアル的にもモテ系だった彼らとの違いはその「なすがまま」な姿勢だったっけなぁという気がします。あっけらかんとふてぶてしい感じ。その自然体ゆえ、バンドが長続きしてるんだろうとも思いますが。

で、これは93年に発売されたカバー作品集。当時中学生だった身としては選曲の妙なんぞ知るよしもなく「へぇ、これかっこいいなぁ」などと何も考えずただヘッドフォンを耳につっこんでいただけでしたが(もちろんボリューム最大で)、今考えてみるとつくづくすごいメンツです。ザ・フー、ジミヘン、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルエルヴィス・コステロ等々・・・なんて贅沢なんだ。

ちなみに自分、はじめて聴いたときには知ってる曲がただひとつしかありませんでした。映画「メジャーリーグ」でチャーリー・シーン扮するメガネ打者の入場曲だった、ワイルド・シング。今じゃたまたま映画を見ると、つい脳内でSGGバージョンが流れ出してしまいます。刷り込みっておそろしい。

閑話休題。とりあえず、今聴いてもかなりかっこいい作品です。全7曲というコンパクトなサイズもあいまってか、聴きたいときにいつでもすっと聴けるところもナイスです。いや、このアルバムに限らず彼らの音源を聴くとき、「身構える」ということはめったにないような気がするなぁ。それはきっと、親しみ深いメロディや無骨な演奏や、砂漠を吹き刺す風のごとくからからに乾いた八熊氏の声や、その他もろもろ何もかもが外へ向かって「開かれている」から、なのかもしれません。ものすごく風通しがよいのです。最近新譜買ってないので、ひさしぶりにチェックしてみようかしら。

最後にひとつ。このアルバムの冒頭を飾るのは"SCREAM"という曲なのだけど、他はすべて有名なのにどういうわけかこれだけ出所がはっきりしませんでした(ライナーの筆者さんも『分からない』と言ってる)。発売後しばらく経ってメンバーが明かしたところによれば、何とこれはれっきとした彼らのオリジナル曲。作詞だけを大御所ガイジンさんにお願いして、何食わぬ顔でカバーアルバムに入れちゃったんだそうです。「洋楽オタクの鼻をあかしてやりかかった」などとあけすけに言ってしまえるあたりが天然チャームだよなぁ。大人ってすごいな。などとびっくりした記憶がふと頭をよぎりました。たぶん死ぬまで聴くと思います、これ。

 
EASY
EASY*/Sparks Go Go
ESCB-1440(93.10.01)