almost everyday.

its a matter of taste, yeah

2009年第5回・きょう読み終えた本

05.ガール / 奥田英朗
ガール (講談社文庫)
働く「女の子」、とはもはや呼びづらくなりつつある年齢のひとたちを中心に据えた短編集。見た目から入るタイプの人物描写がえらい達者でしかも自然で、読み進めるうちついうかうかと作者が男性であることを忘れてしまいそうになるあたりがすごいです。あと、奥田さんの凄いというか格好いいところは、男のひとのダメなところも女のひとの嫌なところも同じようにさらりと曝してしまう辺りにあるなあ。という気がしました。それでいて、別のところでは「ま、しかたないよね」的なあたたかさも見せたりする。描きたいものを守ったり良くみせたりするために、その対極にあるものを引っ張り出してこきおろすことがあっても、そのフォローもちゃんとしてる。人やものを見る目がフラットなんだろうなきっと、と思います。かっこいいよ。こんな大人でありたい。