almost everyday.

its a matter of taste, yeah

Catfish Head

7時起床、夫はきょうも出勤。おつかさまです。せめてもの応援として、夫が起き出す時間に合わせて米を炊き、自転車立ち漕ぎで遠ざかっていく背中を見送ってから掃除洗濯のち二度寝。洗濯ものはものの2時間ですべて完璧に乾きました。あたたかな陽射しは少し眩しすぎるくらい。
14時45分、チネにて「小さな村の小さなダンサー」。詳細は下のほうで。上映後、前からいちど行ってみたかった東口の紅茶のお店へ。ほの明るい照明が今の時刻を忘れさせてくれる、居心地のよい小さなお店でした。「今ちょうど切らしてしまってて、焼きあがるまでに20〜30分ほどお時間いただきますが」と言われて待ったスコーンはほんとうに焼きたてのあつあつで、ふくらみを割ったら熱い湯気と粉の香ばしい匂いとが立ちのぼる格別のおいしさ。紅茶はたっぷりポットひとつ、じんわりと濃くておいしかったです。どうしましょう、映画おわりの心地よい余韻を味わうのにぴったりのお店を見つけてしまいましたよ。また行きます。
その後は、18時台の新幹線で福島へ。同僚さんが福島ライブミュージックウォークラリーに出演するというので、他にもいろいろ見て回ることにしました。19時30分、まずはアウトラインでthe HANGOVERS。ライブは一度も見たことがないんですが、これまで何度か来仙しているようでアー写とバンド名に見覚えがあり一度見てみたいなあと。スリーピースで甘くてポップでベースが太くて、初見でも気持ちよく踊れる音でした。裏声っぽくウワウワ言ってるコーラスが印象的。
続いてはアズで加藤雄一郎+宮田まこと。これも初見。加藤さんの音はサックスでもクラリネットでも、色で言うなら虹の外側みたいでした。赤とか橙とか黄色とか、温かさに満ちた力強さがあるというか。この日のアズは立ち見が出るほどの大盛況、老若男女が揃ったすてきな雰囲気でした。大サービスの長いセットが終わるとともに、人波をかきわけて外へ。
次はトゥナイト21で同僚さんのジャズコンボ。手練れのバックを従えて堂々とスタンダードを吹きこなす同僚さんが格好よすぎて参りました。やばい惚れちゃう。その後は同じく同僚さんのツテで来場していたボスに連れられマジー・ノアールへ移動、ティファニー×ネイザン・イングラムのセッション。終盤の数曲しか聴けなかったけど、これがアンコールも飛び出すほどの大盛り上がりでした。ビール片手にボスとハイタッチ、いやあ格好よかった。大満足にて終電で帰宅。
そうそう、今日はこのわずかな時間にいろんな方と遭遇しました。アウトラインで鈴木くん、アズで高橋さんご夫妻(奥さまとは実に10年ぶりくらいの邂逅!)、どこぞの路上で水&村。やっぱり福島っていいな、楽しいな。帰ってこられて嬉しいな。というようなことをあれこれ考えほわほわ幸せな気分で部屋に着いてみたら、夫がようやく食事を終えたところのようでした。休日でさえもこんな時間まで働くのか、君は。せめて明日は心ゆくまで眠らせてあげなくては。おやすみなさい。
というわけで、映画「小さな村の小さなダンサー」の感想はこの下に。以下ややネタバレなのでたたみます。
ひと言で言うと、共産主義で純粋培養された若きダンサーの成長物語。その政治的背景ゆえか、主人公リーの人となりがよく見えてこないのが少々はがゆかったです。わかるんだけど、あんな環境じゃ自己なんてものは育ちようがないってことくらい。それでもいくらかは透けて見えてくるであろう「生まれ持った心の核のようなもの」をもう少し掘り下げて描いてほしかったです。でないと、祖国を捨てるまでに至った決心のよりどころがわからないよ。あれじゃただの色ボケみたいだ。
ともあれ、バレエのシーンのうつくしさには文句なし。青年リーの役者さんはとても化粧映えのする顔立ちで、なんていうかもうアジア人に見えないくらいでした。幼年リーも可愛かったし少年リーも健気な演技が際立ってたよ。それと、映画全体の雰囲気が想像以上にザ・中国でした。なんて言ったらいいんだろうか、見せ場のたびにドラが盛大に鳴り響く感じというか。なんだそれ。早い話がベタな演出なのだけれど、テーマが基本サクセスストーリーなので見ていて楽しかったです。
特に好きなシーンはふたつ。渡米したてでまだ言葉が不自由な主人公が、身を寄せる家の主に「『チンク』ってどんな意味ですか?」と尋ねたときの咄嗟の心遣い。それと、初めて恋した主人公がもうたまんないって感じで彼女を求めるときの言葉のつたなさ。いやあ、いいね!おぼこくても男は獣だね!どきどきするわー。