almost everyday.

its a matter of taste, yeah

アフターサン

  • 長町でアフターサン。父娘もの、割と好きでよく観るんですけどこれはなかなかの変化球だなーという印象。陽光きらめくリゾート地での大切な思い出、みたいなもんを想像してたらだいぶ痛い目に遭いました。
  • そもそもの話、記憶の発端となるのが20年前のホームビデオ映像だもんで画質の粗さと手ブレが酷くてまず単純に目が疲れます。心象風景?としてちょいちょい挿入されるクラブのシーンも夜のフロアにありがちなストロボ的照明によって全体像がボカされており、これまた目に優しくない。そして、おそらくはこれらの映像効果をより際立たせるためバカンス回想シーンってか父親のターンがひたすら冗長なんですね。いや、海もプールも父娘の笑顔も若者たちの戯れもそりゃもう綺麗よ?夏休みの高揚も気だるさも存分に描いてるよ?とは言え長い。シーンのひとつひとつが眠気を誘うほど長い。かと思えば会話終わりでのぶった切りも多用してるし、余韻を残したいのか不穏さを演出したいのかどっちつかずでだいぶやきもきさせられました。ついでにもひとつ、電源を落としたテレビや窓やポラロイド写真への映り込みで滲んだ表情を追おうとするシーンが多いのも気になります。ああいうのってここぞの場面でやるからこそ強く印象に残るわけで、あれだけぽんぽん乱発されると小手先のセンスやテクニックをひけらかされてる感が出ちゃってだいぶキツかったです。
  • そんなわけで暗い影がつきまとう回想と大人の階段昇りかける甘酸っぱいあれこれが最後まで続くわけなんですけど、起承転結の転から先が何もかも曖昧なままエンドロールを迎えてしまって呆気にとられましたよね。観客に解釈を委ねるというよりは「これだけ見せたら後はもう分かるでしょ?」とでも言いたげな目くばせあるいは匂わせ感が鼻について、個人的に好みでないタイプの作風でした。劇中ブラーがかかんなかったらあと0.5点くらいは低くみてますね、確実に。
  • そうなんですよ。20年前の話でブラーの、それもテンダーが流れるってのは頭じゃ分かってるんですけどなかなか理解が追いついてこないとこあります。当時まだローティーンだった少女が今や親となっている…!という現実を見せつけられるとなかなか内臓にくるものがあるんですわ。そんなことない?
  • 先発は藤平。連敗は5で止まりました。おやすみなさい。