almost everyday.

its a matter of taste, yeah

no more sorry vol.1@下北沢club cave-be -2003.11.14Fri

18時50分頃、会場着。ハイラインの隣がこういう感じになっていたとは、今までまったく気がつきませんでした。ほぼ正方形の小ぢんまりとしたフロア、それと低くて近いステージに、少々どきどき。受付で手渡されたドリンクチケットを黒ラベルに替えてもらい、開始を待ちます。寒い季節はこういう場合にひとり身の寂しさがのしかかって切ないのですが、よく考えてみたらシカゴベース以外の出演バンドをまったく知らないままで来てしまったことに気がつきました。今更ながらフライヤ等見てみようか、と思ったところで明かりが落ちてタイムオーバー。ううむ。まあ、いいか。

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最初のバンドはposthand、ギターがふたりにベースとドラムとキーボード、コーラスの女の子という編成。セッティング中のSEがレディオヘッドだったあたりから、おおよその概要が掴めそうな音でした。轟音ギターにエレクトロ、時折男女のウイスパーボイスが乗るという感じ。コーラスの子を除くメンバー全員がドラムの方を向いて(=フロアに背を向けて)激しく身体をくねらせながらこれまた激しい音をひたすら延々奏でる姿は、音に酔っているというよりむしろ酔おうと努めているかのように感じられもしました。見るものとしては、何だか少々置いてきぼりにされた感が拭えないです。ううむ。

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2番目のovumは4人編成でギターふたり、ボーカルなしのインスト。バックの白布に映し出された空や緑の映像を眺めながらの轟音サウンドは、例えて言うなら眠りに落ちる寸前にヘッドホンで耳へ流し込むラブレスのようで、つまりは気持ちよく床に崩れ落ちてしまいそうでした。最後のほうは完全に、目を閉じてとろんとしちゃってましたもの。あぶないあぶない。

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3番目、my speedy sarah。前のバンドが終わってすぐ、常盤貴子をちっちゃくしたようなキレイなお姉さんが「次のバンドなんですけどこれ、よかったら書いてください〜」とアンケート用紙を配っていて、てっきりスタッフの方なのだろうなと思っていたのですが。その方がギター抱えてステージ中央に立ったのでびっくりしました。バーバリーのスカートにブーツという普通にOLさんぽいルックスで、がしがしギターを弾く姿はちょっと格好よかったです。のびやかな声が印象的。

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トリに、いよいよ、シカゴベース。前回見たライブは7人編成の大所帯だったので「このステージにそんなに入れるのか」等と要らぬ心配をしてしまいました。今回はギターがひとり減って、6人。それでも少々きゅうくつそうでしたけども。大友さんがいない、ということはコーラスどうするんだろう?不安と期待が半々くらい。

で、最初からいきなり驚かされました。まずドラムセットが空席のまま、フロント3人とテルミンだけで演奏開始。それだけでも不意を突かれてびっくりしたのに、更なる驚きが待ち構えていようとは。いつものように中央でギター弾いてたゲンタさんが、途中でストラップを外すしぐさをはじめたのです。んんん?と思って見ていたら何と、テルミンの方とポジション交代。いたって普通に淡々と、それぞれふたり入れ替わった楽器を操る姿にびっくりしました。曲の最後ではゲンタさん、ドラムまで叩いてましたよ。何なんだこれ。すごいすごい。

次の曲からは全員が揃って、それぞれの楽器で演奏。今回も見事に全部、知らない曲でした。しかしあの、身体ごと持っていかれそうに絶妙な間と、それがいちいち決まってしまうタイトな音には変化なし。序盤の曲はちょっとだけエレクトロ度が増したか?とも思いましたが、最近ようやくそれらしき音のよさが分かってきたらしい自分の耳にはジャストなタイミングです。ああ、気持ちいい。

中盤をすぎたあたり、コーラスの女の子が何の前触れもなくひょっこりステージに現れたので、またしてもびっくりしました。それも白っぽいファー付きのミニワンピに白ブーツ、くるくるの巻き髪といういでたち。男性のみ6名というこのステージにあっては、彼女がミューズのように見えてしまってしかたないです。それを裏付けるかのごとく、細いストラップごしの背中には天使の羽が描かれていて、思わずうっとり見とれてしまいましたよ。同性なのに。

ラストの曲(これが今回聴いた中ではいちばんのキラーチューンでした。個人的に。)が終わってすぐ、わたしの斜め後ろにいた男のひとが、とても満足げに「あー、おもしろかったぁ」と呟いていたのが印象的でした。本当、今まで見た中で(とは言っても3回目なんですが)いちばん楽しめて、しかもぐっとくるライブでしたよ。見に来てよかった。でも、まだまだ足りません。もっともっと見たいです。というわけでまた今度。必ずや。