けさ目を覚ましたときの話。ストーブに火をつけようとふとんの中から手を伸ばしたら、あとほんの数センチ差で指が届きませんでした。で、ほとんど舌打ちしたいくらいの気持ちで顔を歪めた瞬間、頬の筋肉がぴしりと音をたてそうな勢いで軋むのがわかりました。ええー?今朝ってそんなに寒いんですか?水道凍ってないといいなあ。なんてことを思いながらよたよたと起き上がり、蛇口をひねって確認するも特に異常は認められず。それ以前にまず、部屋の空気からしてそれほど下がってはいない気がします。はて、これはどういうこと?
何が何だかわからないままお弁当をつくりはじめ、朝食を準備し、できあがったばかりの納豆ごまたまごスパゲティ(最近、平日の朝食はこればかりです)をフォークに巻きつけ口を開いたら、頬にまた先ほどと同様の軽い痛みが走りました。ほんの一瞬「これはもしや顎関節症の再発?」という思いが頭をよぎったものの今回の痛点は顎関節症のそれと微妙にポイントがずれており、というより単純に骨ではなくて肉が痛いように思います。頬「だけ」が局地的にこうもはっきり痛むのは前述のとおり気温が低いとき、それも極端に寒い場所で素肌をさらした時くらいのものだと思うのだけれど、ならばいよいよこれは何なのでしょうね?わけがわからなくなってきました。ううむ。
どうにもすっきりしないまま出勤し、すぐ後ろからボスが歩いてくるのに気づいて挨拶のため笑顔をつくろうと思った瞬間、やはり頬に、それまでとは比較にならないほどの(指先や爪先が攣るときの感触に近い、力が抜けてしまうような)するどい痛みが走りました。そして、その瞬間に悟りました。「ああそうか、これは昨日の営業スマイルのせいなんだ」と。長時間にわたり慣れない接遇業務に従事したせいで、顔面が軽い筋肉痛を起こしているのです。それに気づいた途端、自分で自分が心底情けなくなりました。わたしという人間は、ニコニコ笑っておとなしくしてるというただそれだけのことすら満足にできないというのでしょうか。かなしい。キャラクタとか適性とかそういう原因もあるにせよ、それにしたってこれはちょっとあんまりすぎやしませんか。よりによって顔面が筋肉痛になるなんて。うーんうーん。
そして、さらにもうひとつ思ったこと。いくら自分が素人とは言え、たった1日にも満たない業務で身体が(顔面が)悲鳴を上げているのだから、こぎれいなオフィスやファッションビルの入口に日がな一日じっとはりついている受付嬢のみなさんはきっととても大変な思いをしておられるのでしょうね。傍目には優雅に見える白鳥も、水面の下では必死に水を掻いている。というのと同じようなものかもしれません。すごいぜ。おやすみなさい。