朝７時すぎに目を覚まし、８時ジャストの路線バスにすべりこみで乗り込んで、東口発のシャトルバスへとたどり着いたのが９時前後。連休序盤で混み合う高速道路を抜けて、エコキャンプみちのくに到着したのが１０時すぎくらいでした。おお、今年は入場ゲートが混んでない！昨年の筆舌に尽くしがたい長蛇の列を思い出して早くも涙腺緩みかけましたがそれはそれとして、今年もやってまいりましたアラバキロックフェスティバル。昨年同様HATAHATAステージ後方にテントを張って、まずはゆっくりごはんを食べたりビール飲んだり。出店エリアにモナレコードのテントがあったので驚いてお店のひとに「こないだ行きましたよー、モナのランチライブ」って言ったら「あ、今日は東京から？」と返されたので「いや福島から」とさらに返したら「そっちのが遠いじゃないすか！」とかつっこまれたりしました。海鮮チヂミ、おいしかったです。こんな感じでまずは腹ごしらえ。ビールがおいしいです。すすむすすむ。
いちばん最初はビークルを見に行きました。すんごい、暴れまくりました。気がつけば最前線で、後ろからくるくる転がされてきた男の子の靴が横っ面をクリーンヒットしたり、またある時は頭突きに近い勢いでがつーんとぶつかってこられて軽く意識が遠のきかけたりしましたが、概ね楽しかったです。気持ちよかったー。
テント近くに戻って、ふらふらする頭のままぺたりと寝そべりうとうとしてたら小谷美紗子Trioが聞こえてきました。「ああ気持ちいいなあ、このままほんとに寝ちゃおうかしら」と思っていたらそこに響いてきた歌声がめっぽう格好よくて、いてもたってもいられずダッシュでステージまで。「狼」って曲ともうひとつ、タイトルはわからないけど最後の「♪消えろ 消えろ 痛いの消えろ」ていう曲がすごくすごく良くて、いずれもじわりと涙が滴りかけたのだけれど、そのたび隣のステージからポリシックスの奇声が響いてきて瞬時に我に返らされました(笑)。ポリシックス、すごいなあ。ずっとあの芸風だもんなあ。あの音楽に骨抜きにされたことは今のところないけれど、そういうのとは別の意味で格好いいなと思います。初志貫徹、と言っていいのかしらこういうのは。
次は髭。少し前に知り合いから借りたシングルがとても良くて、それに仲間内での評判も上々なので楽しみにしてました。予想に違わず良かったです。それに、音源を聴いただけではわからなかったけど、このバンドにはいわゆる「ベズ的なひと」がいらっしゃるのですね！ドラムセットにちょこんと座って、かと言ってあんまり叩くわけでもなく、気がつくと前に出て踊りながら客を煽ってるような。ああいう感じの賑やかしぽいメンバーがいるバンドつうのは、こういう場で見ると特に盛り上がります。たのしい。それだけじゃなくてもちろん音も良かったのだけど、そっちのほうが変に記憶に残ってしまっているのはなぜでしょう。あの、うっかり信じたらその瞬間から騙されそうないかがわしさと、それを知りつつつい魅きよせられてしまいかねない甘いエロさとのせめぎあいがたまりません。ねちっこくアウトロひきのばしてぶんぶん頭ふってた曲が特によかったなあ。個人的には、あの寡黙そうなベースのひとがいちばんの曲者とみました。ていうか単純に好み。
その後は保原の古い友人と合流してビールのんだりしつつ、みちのくプロレスをゆるっと観戦。こうして間近でプロレスを見るっつうのはたぶんほとんど人生初のはずですが、これはもはや格闘技っていうよりか空手の型とか演舞とかそういうのに近いんじゃないかなあ。って気がしました。決めの技がびしびしはまって、見せ場が終わるまで決して３カウントにはならなくて。こりゃー楽しいはずだわ、と思いました。ピンク色の全身タイツ着てたぷよぷよ体型のレスラーがまんまナチョ・リブレで思わずにやり。かわいかったです。
その後はテント近くでクロマニヨンズを見て、東京から仕事で来てたお友達とひさしぶりに言葉を交わして、ブライトキッズを見にみちのくステージへ。いちばん大きなステージの、しかも大トリのひとつ前ですよ。すごいぜGIP。こうしたシチュエイションのおかげもあってか、半年前にジャズフェスで見たときよりもずっと堂々と演奏してるような印象でした。ベースの女の子が立ちあがってぶいぶい弾くようになったのがかっこいい。それと、いつもソロをとってるひときわ小さな男の子が今日も見事な指使いを見せてくれたのがうれしかったです。楽器を構えたら顔も頭も隠れてしまうような小さな子が、はちきれんばかりにほっぺたふくらませて音を出してるところを見て、胸をうたれない音楽好きの大人はきっといないはずだ。とあらためて思いました。ああ、いいもの見たなあ。すっかり満足して帰りました。来年もまた来ます。おやすみなさい。
