almost everyday.

its a matter of taste, yeah

手で掴めるようなものじゃない 強く求めるようなものでもない

目を覚ますと窓の外はちらちらと雪。お昼前に整骨院へ、通院3回めにして〆の矯正でべきべきべきべきっといい音が鳴り、我ながらその響きのよさにほれぼれしたりとか。「これで何とか危機は脱したよ」とのお言葉どおり、痛みはもちろん筋が詰まるようないずい感じもだいぶ遠のいた感あり。よかった…。ひとまずほっとしました。
今朝から夫がめずらしく体調不良で臥せっているので、この週末は家でのんびり過ごすことになりそうです。かるく飲んだらうたた寝してしまい、へんな時間に目がさめたので昨日みてきた映画の感想でも。

50/50 フィフティ・フィフティ

昨日は事情が事情だったこともあり、映画の内容云々はともかく「時間さえぴったり合えば何だっていい」とばかりこちらを見ることにしたのでした。突然の闘病生活を余儀なくされた27歳男子、生存率は50パーセント、おまけにその病名はガン。普段だったらまず見ない要素ばかりです。闘病ものにありがちな泣け泣け波状攻撃がまず苦手だし、「感動しました!」ていうベタで熱くてうすっぺらい連帯感もいらないし、それに何よりガンがいまだに許せない。そういうわけでほとんどまったく期待せずに見たのですが、予想に反してこれがなかなかよかったのでした。意外にも、すんなりすとんと腑に落ちた。
大筋としては発病から抗がん剤治療を経て手術を終えるまでが描かれているのだけれど、いわゆる悲劇的クライマックスみたいな場面があまり用意されていないことに驚きました。盛り上げようと思えばいくらでも盛り上げられそうな題材なのに、あらゆることが次から次へと平熱低めに映し出されます。難しい病に冒されたひとは毎日ずっと終わりの見えない戦いを繰り広げている、けれどもそこには淡々と消費する日常だってある、健康なわたしたちと同じように。そういう姿勢がすごくいいな、と思って見てたら脚本家さんの実体験がベースになっているのだとか。なるほど、どうりでエピソードのひとつひとつに説得力があるわけだ。

そして何より、主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットが素晴らしかったです。酒も煙草も薬もやらない至ってふつーの男のひと、がちょっとずつちょっとずつ病人になっていくのがよくわかる、見ていて思わず手を差し伸べたくなる弱りっぷり。500日のサマーのときはいじいじしすぎて半ば呆れもしたけれど(それゆえ変に感情移入させられたのだけれども)、今回は放っておけない子犬のような表情がたまりません。これって誰かに似てるなあ、と記憶の底をさらってみたらARATA改め井浦新が浮かんできたので、あの物静かでどこか寂しげな佇まいがお好きな方は見といて損はないだろうと。スキンヘッドもなかなかキュートでした。おやすみなさい。