almost everyday.

its a matter of taste, yeah

殺したのはアナタの耳

  • 後輩くんが某システムのインストールに手こずっており、FAQをひととおり試してそれでも解決しないと困っていたので、どれ貸してみと覗いてみるとこれはどうやらネットワーク関連の不調。なもんでひとまずipconfigコマンドを使おうとしたところ「え!何すかそれ!」と素っ頓狂な声を上げられこっちが驚いたという話。分かっちゃいたけどそういうもんか。やっぱりそういう感じなのか、今は。
  • わたしが高校を卒業したのは90年代末頃で、当時のOA関連授業と言えば「文書処理」、つまりワープロ演習のみでした。win95は既に発売されていたものの、教育課程に組み込まれるにはまだ早かった。就職先でもワープロがまだまだ現役で、個人用のパソコンが全員に行き渡ったのはゼロ年代以降と記憶してます。今となっては想像しがたい執務環境、いろいろ大変だったけれどもそれはまた別の話。
  • 晴れてようやくひとり1台のパソコンが与えられた当時、わたしはとても小さな事務所で働いていて、誰ひとり具体的な操作知識を持たぬ環境下にありました。こういうときに新しい仕事を押しつけられるのは下っ端の若造と相場が決まっているもので、何が何だか分からないまま見よう見まねで基本操作と簡単なトラブル処理を覚えていくことになります。
  • ここから先はもうお決まりのパターンで「こういうのは若い人の仕事だから」「これってあれでしょ、君がいちばん詳しいよね。ね?」という既成事実のもと、気づいたときには関連業務を何から何まで背負わされていました。いや、別に詳しくねえし。習ったことねえし。ただ必要に迫られてるだけだし!と心の中で叫びつつ、「印刷ができない」「接続ができない」「何もしてないのに壊れた」などという不満げな声にいちいち振り回される日々が続くのでした。いやちょっと待て、何もしてないのに壊れるわけがないだろう。なんなんだ。エスパーかあんた。
  • こうして一度背負ってしまったポジションを手放すチャンスはついぞ訪れず、甚だ不本意ながら今なお異動する先々で何の権限もない役職*1を拝命し続けています。ある職場では防災訓練資料と称してネットワーク体系図の作成を迫られ、またある職場では営業所サイトをゼロから自作するよう命ぜられ、さらに別の職場では壊れた共有ファイルサーバのデータをサルベージしてくれと懇願されました。それとは別のサーバ更新作業が終わらず、宴会を抜け出して夜通し作業したこともあったっけ。さすがになんだか腹が立ち、半ばやけくそで関連資格の試験を受けたらふつうに通ってしまい、さほど難しい試験でもない*2のに「よっ!名人!」などと茶化されますます仕事を増やされたりもしました。ちなみに、資格手当の類は一切ありません。だったらなんでわざわざ試験を受けたのか。「誰もやりたがらない仕事があまりに不毛なので、せめて何らかの成果を挙げたい」などとうっかり願ってしまったのです。ほんとに、ただただ、迂闊でしたよね。泣きたい。
  • そういう道を歩んだ自分も年かさだけならいっちょまえになりつつあって、そろそろやっと後進に道を譲れる頃合いだと思ったのに、肝心の若い世代は「パソコンあんまり使わないんで詳しくないっす」と仰るのですよね。曰く、基本操作は小学校で教わったきりで今はスマホしか使わないんですって。コマンドプロンプトなんか見たこともないし、そもそも自宅にパソコンがないんですって。「先輩すごいっすね、詳しいっすね」ですって。あはははははははははははははははは。
  • かつて「こういうのは若い人に」と問答無用で押しつけられた仕事が今は「先輩のほうが詳しいっすよね?」という理由で敬遠されてしまうんです。一緒じゃね?歳いってても若くてもおんなじじゃね?たまたまこの世代にいるってだけで、なんかめちゃくちゃ大変すぎね?みたいな不満がものすごくある。
  • これって何だ、あれなのか。姑にイビり抜かれた嫁がいよいよ私も姑に、というタイミングで今度は息子の嫁にイビられるようなもんなのか。わからんけどな、息子いないし。わからないけどわからないなりに、時代が生んだ理不尽の闇を嘆いています。泣きたい。疲れてるんだろうな、きっと。もう寝ます。おやすみなさい。

*1:IT番長みたいなふざけた名前のやつ

*2:合格率は3割程度